研究課題/領域番号 |
23K20127
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補助金の研究課題番号 |
20H01396 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
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研究分担者 |
小池 司朗 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 部長 (80415827)
石川 義孝 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (30115787)
田中 耕市 青山学院大学, 経済学部, 教授 (20372716)
草野 邦明 群馬大学, 情報学部, 助教 (40573986)
井上 希 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 主任研究官 (30827754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 将来人口推計 / 小地域 / アジア太平洋地域 / ウェブマッピング / 韓国 / オーストラリア / ウェブマッピングシステム / 米国 |
研究開始時の研究の概要 |
小地域を単位とする将来人口推計は、少子高齢化や人口減少問題の対策および各種の都市・地域計画に対して有用な基礎資料を提供する点において、国や地域を問わずきわめて重要である。しかし、そのような推計を国全体で実施した例はほぼ皆無であった。これに対して、研究代表者は小地域将来人口推計に関する新たな手法を開発することによって、日本、米国ワシントン州、台湾に関する推計を実施し、その結果をウェブマッピングシステムとして公表した。本課題は、その推計の対象範囲をアジア太平洋地域に拡げて同様のシステムを構築し、SAPP seriesとして公開することを目的とする。
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研究実績の概要 |
今年度の最大の研究成果は,韓国版の小地域別将来人口推計ウェブマッピングシステムThe Web Mapping System of Small Area Population Projections for Korea(略称SAPP for Korea)のバージョン1.0の構築・公開を行ったことである。このシステムは、本課題が構築してきたSAPPシリーズでは、日本版、米国ワシントン州版、台湾版、全米版に続く5番目のものとなる。今年度は、韓国統計庁から提供を受けた小地域人口データ(2016、2021年)に基づき、2051年までの小地域別将来人口推計を行い、同システムを通じて、その結果をオープンデータとしてオンライン上に公開した。推計を行うに当たっては、同庁から提供されたデータが特別な秘匿処理がなされていたため、まずは秘匿処理されたデータの補間法を種々考案した。この補間法は日本を初めとして他国にも応用可能と考える。また、このシステムでは、これまでのSAPPシリーズと同様に井上が開発したスムージング手法が用いられているが、韓国のデータの実態に合わせてこのスムージングを市・道レベルと市・群・区レベルの2段階で行っている。 他の研究成果としては,オーストラリア版のシステム開発に向けた準備を進め,小地域推計のためのオーダーメイド集計データをオーストラリア統計局より入手することができた。このデータは、同国では最も小さな小地域単位の2年次分のものであり、特段の補間作業も必要ないため、比較的短時間でシステム構築が可能と見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題は、アジア太平洋地域の6~8か国・地域の小地域人口推計ウェブマッピングシステムを構築していくことが主目的である。すでに5つの国・地域についてシステムを公開するに至っている。また、オーストラリアについてはシステムを構築できる見通しが立ったので、最低限の目標は達成できる見込みである。しかしながら、当初構築を目指していた国・地域のうち、カナダとニュージーランドについては、小地域人口推計に必要な小地域人口データを入手することが極めて難しいことがわかったため、この課題でこの両国のシステムを構築することは断念した。 一般に、小地域人口データは個人を特定されやすくなるので、特に外国人にとってそのようなデータを入手することは困難であるが、今後、世界各国にSAPPシリーズを展開していくためには、学術目的の利用である旨を各国の統計局に訴えていく必要があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は本課題の最終年度になるので、まずは、研究実績の概要でも述べたように、オーストラリア版の小地域人口推計ウェブマッピングシステムを構築することに注力する。また、SAPPシリーズに6つのシステムが構築されることになるので、それらのデータを用いた比較研究を推進したい。なかでも、高齢化についてはアジア太平洋地域のなかでその進展速度が大きく異なるので、小地域将来推計人口を用いた高齢化の比較研究が当面の研究課題になる。
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