研究課題/領域番号 |
23K20139
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補助金の研究課題番号 |
20H01452 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
松森 奈津子 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (80337873)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | グロティウス / ベンハビブ / 開放国境論 / グローバル・ジャスティス / ドミンゴ・デ・サラサール / アロンソ・サンチェス / 海禁 / フィリピン / 東海道五十三次 / 旅籠 / カリフォルニア / ホセ・デ・アコスタ / 鎖国 / 殉教 / 異人論 / ヴァッテル / 羽衣伝説 / 異人歓待 / 白鳥伝説 / 柳田国男 / 折口信夫 / 稀人 / 異界 / 所有権 / 歓待 / ホスピタリティ / ロック / ビトリア / イベリア帝国 / スペイン / ポルトガル / イスラム / ユダヤ / ロマ / サラマンカ学派 / コスモポリタニズム / プロパティ / カント / デリダ / 正義 / ハプスブルク / グローバリゼーション / 他者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの個人研究をもとに学際的な国際共同研究を構築し、最盛期のハプスブルク朝スペイン帝国(1519~98年)で展開された世界秩序構想の全容と思想史的意義を明らかにするものである。焦点は、「他者の歓待(hospitality)」と「自らの所有権(property)」の関係性に 置く。両者の関係は、古来の異人接待論から近代自然法論を経て現代正義論まで通底する他者論 の問題系の1つだが、先行研究では注目されてこなかった。本研究は、テクストの内在的分析と概念史をめぐる通時的分析に基づいてスペイン帝国思想を詳察し、グローバル化時代に求められる他者論の新たな可能性を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究は、最盛期のハプスブルク朝スペイン帝国(1519~1598年)で展開された世界秩序構想の全容と思想史的意義を明らかにするものである。焦点は、「他者の歓待(hospitality)」と「自らの所有権(property)」の関係性に置く。具体的な目的は、第一に、サラマンカ学派と周辺の思想家における他者論の異同を考察すること、第二に、それを古代から現代に至る西洋の歓待-所有権論の系譜に位置づけることにより、ハプルブルク朝スペイン帝国思想の独自性と意義を確定すること、にある。 4年目の2023年度は、歓待-所有権論がアメリカ進出をめぐる議論の中でどのように展開されたかを検討した。その際、当時は南北アメリカを区分する認識がなかったことから、双方を含めた「新世界」へのスペインとイングランドの進出過程を比較考察した。遂行過程では、スペインのアメリカ、アジア進出の拠点となったカリフォルニアの地政学的重要性に焦点をあてて調査するため、カリフォルニア大学バークレー校にJ1ビザ保有客員研究員として約5週間所属し、資料・史跡調査と学術交流を行った。 当該年度の成果は、第3回ラス・カサス国際会議で英語報告(6月)、2024USフォーラム口頭報告(11月)として公にした。また、12月~1月にかけては、バークレー校の教員を招聘して公開セミナーを開催し、学生、院生、教職員、一般市民に向けて広く研究成果を公にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度までに遂行予定であった計画内容に加え、来年度に行う予定であった最終成果(英語共著)もすでに公刊されているため、当初計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに当初予定の研究内容はほぼ終えているが、コロナ禍で出遅れた海外資料調査のやり残しが若干残っているため、この点を完了する。あわせて、一層視座を広げた次の国際共同研究につなげるべく、時代と地域を拡大したホスピタリティ概念の系譜学について考察を進めたい。
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