研究課題/領域番号 |
23K20142
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補助金の研究課題番号 |
20H01474 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
浅野 亮 同志社大学, 法学部, 教授 (10212490)
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研究分担者 |
村田 晃嗣 同志社大学, 法学部, 教授 (10284126)
張 雪斌 大阪経済法科大学, 国際学部, 准教授 (10781536)
中谷 直司 帝京大学, 文学部, 准教授 (70573377)
佐藤 考一 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (80296409)
山口 航 帝京大学, 法学部, 講師 (90735317)
松本 明日香 東北大学, 国際文化研究科, 講師 (90775058)
黒杭 良美 明石工業高等専門学校, 教養学群, 助教 (50849338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 一帯一路 / 国際秩序 / アメリカ / 中国 / 東南アジア / 「一帯一路」 / 米中関係 / 東アジア / 歴史 / 地域研究 / 国際関係理論 / 安全保障 / パブリック・ディプロマシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「一帯一路」とは何かという根源的な疑問に対する解答の追求であり、特に「一帯一路」はなぜ提唱され、どのように発展・展開してきたのかを明らかにすることである。 「一帯一路」に関する研究は、様々な分野から数多く進められているが、そもそも「『一帯一路』とは何か?」という問いに対し、研究者の 間で必ずしもコンセンサスが得られているとは言い難い。 このような課題を克服すべく、本研究では認識・政策・秩序の3つの視点を重視し、「一帯一路」の形成および展開の過程とその要因とを明 らかにする。このことを通して「『一帯一路』とは何か?」という問いに対し、国際関係論の枠組みから新たな答えを提示する。
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研究実績の概要 |
研究テーマである「国際関係と『一帯一路』のフィードバック」を国際秩序、米中関係、「一帯一路」のサブテーマに分割した上で、共同研究は二本立てで進めた。一つは、研究メンバー以外の外部講師を招いてセミナー(オンラインと対面式の併用)を3回開き、知見を広め、それぞれの分野での意味づけを深める形である。もう一つは、シンポジウムの開催であり、研究メンバーによる発表に対して外部から討論者と発言者それぞれ数名を招き、それまで蓄積してきた研究についての意見を聴取した。この二つを通して研究メンバーと外部との相互交流を進めた。なお、前年度に報告できなかった研究メンバー1名はこの年度に報告した。 2023年2月18日に行われた対面式のシンポジウム「国際秩序と米中関係:『一帯一路』を中心に」はこの年度まで進めてきた研究の包括的な中間報告でもあった。報告した研究メンバー三人は:中谷直司(帝京大学)「国際秩序の平和的変更の困難と倫理性:歴史的視座」;松本明日香(東京都立大学)「米中間選挙と結果と国際秩序形成:インド太平洋を中心に」;張雪斌(大阪経済法科大学)「一帯一路構想における文化交流:そのアクターとプロセス」である。 この共同研究の柱の一つとして研究をまとめた書籍の刊行に向け、打合せ会を開いて(2022年5月21日、6月4日など)書籍全体の構成や項目について意見を交換し、加えて輸送や軍事、科学技術など研究メンバーのみではカバーできない重要なトピックについて執筆者を外部に探すこととなった。その結果できた原案をもとに出版社に企画を持ち込み、編集部との意見交換を重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多くの学術研究プロジェクトと同様に、「新型コロナ」の世界的な蔓延による海外出張や海外からの招聘が困難であったことに加えて、この共同研究では特に「反スパイ法」など、オンライン形式を含めて中国側による学術交流に対する情報管理の強化が大きな障害となった。この困難は日本以外の国々でもほぼ共通しており、したがって、「一帯一路」の研究について、内外を問わず他の形での協力や交流を模索した。 この模索を具体的に言えば、濃密な国際交流を通じて「一帯一路」が関わる諸地域、また地域横断的な事情の解明がすぐには再開できない状況であるのに鑑み、国内在住の研究者からの知見を求めることに重点を置き、現代史のほか、輸送や軍事など「一帯一路」の別の重要な側面についての研究を進めた。これまで進めてきた研究蓄積から、国際関係分野の研究者による研究ではこれらを含めた立体的な分析がまだ手薄の状況とわかってきたため、学際的な研究を進めることとした。 同時に、出版業界も「新型コロナ」の影響を受けたとみられたので、書籍の刊行準備には早めに取りかかり、出版社編集部との意見交換を重ねて、2023年3月企画を社内の企画会議に提出した。4月に企画会議を通り、2024年6月を締め切りとし、同年秋には出版する見通しができた。
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今後の研究の推進方策 |
国際秩序と「一帯一路」の研究を進める上で、中国の「反スパイ法」強化はさらに進みつつあるが、「新型コロナ」対策は世界的にも一段落し、国際交流も再開しつつある。この状況に基づき、今後の研究の仕方を考えている。 当初の構想では、中国、アメリカ、東南アジア、ヨーロッパからゲストスピーカーを招聘し、国際シンポジウムを開催する予定であった。しかし、中国からの研究者招聘は慎重にすべき状況が続いている。他方、「新型コロナ」の一段落したとされるものの、諸外国では慎重な態度を保つ研究者もおり、さらに前向きの態度の研究者もそれぞれ突然に多忙を極める状況となった。日程の打診をしたところ「一帯一路」や中国政治に関する研究者が一堂に会するのが困難になりつつあるので、招聘する研究者の組み替えを含め、開催方法を検討しつつセミナーを行うことを考慮している。 書籍発刊に向けて打ち合わせは、事前にした案を準備した上で、前年度に続き行う。執筆メンバーに、輸送、軍事、科学技術などの分野の研究者を加え、歴史、地域・国際関係と分野の三つのベクトルを組み合わせて立体的、また多角的に分析を進め、「一帯一路」に関する他の諸研究との差別化を図る。
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