研究課題/領域番号 |
23K20153
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補助金の研究課題番号 |
20H01519 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
尾崎 祐介 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80511302)
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研究分担者 |
小川 一仁 関西大学, 社会学部, 教授 (50405487)
中村 恒 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80418649)
藤井 陽一朗 明治大学, 商学部, 専任准教授 (80635376)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 二変数効用 / 健康 / 社会選好 / 高次リスク回避 / 比較静学 / 二変数効用関数 / 社会的選好 / 経済実験 / 高次リスク回避度 / 社会ノルム / あいまい性 / コンテスト / 時間選好 / 曖昧性 / 健康リスク / 高次リスク / 予備的貯蓄 / 健康不安 / 後悔 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は健康状態などの非金銭的な変数を持つ二変数効用関数を考えて、それらがポートフォリオ、貯蓄などの家計ファイナンスの代表的な問題に対して、どのような影響を与えるのかについて理論的に明らかにすることを目的としている。また、理論的に出された二変数効用関数の交差微分に関する条件に対して、経済実験を用いて、それらが成立しているのかを検証する。本研究では、理論と実験を組み合わせて行うことで、非金銭的な変数を取り込んだ家計ファイナンスの研究を発展させていく試みである。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は健康不安を二変数効用関数として定式化したうえで、ポートフォリオなど家計ファイナンスの重要な問題に対して、その影響を理論的に考察すること、そして、その条件を経済実験で考察することを目的としている。本研究課題の特徴として、理論と実験の両方を用いることが挙げられるので、それぞれに分けて研究実績の概要を述べていく。理論に関しては、家計ファイナンスの応用としてリスクマネジメントのトピックである予防(prevention)に関する研究に着目した。特に、予防と数学的に似た構造を持っているコンテスト(レントシーキング)に着目して、予防の分析を生かした分析を実施した。具体的には、以下の二つの研究を行った:1.二期間のコンテストに関して、リスクと時間の選好を分離できるSelden-Kreps-Porteus型効用関数を用いた分析、2.賞金にあいまい性を導入して、そのあいまい性が投資に与える影響の分析をそれぞれ行った。これらの分析は国際学会などで研究報告をしたうえ、論文をまとめる段階に入ることができた。ただし、一部の国内の研究会を除いては対面での報告は難しく、オンラインでの報告となった。経済実験に関しては、基本的には昨年度と同様に対面での実施が難しい状況であった。ただし、新型コロナウイルスの感染状況には波があり、比較的安定している場合に一部で対面での経済実験を実施した。また、昨年度に続いて社会選好に関するオンラインでの経済実験も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も新型コロナウイルスの影響があり、現在までの進捗状況に関しては「遅れている」という評価になる。進捗状況についても、理論と実験に分けて述べていく。理論に関しては新型コロナウイルスの影響を受けにくいこと、また、その状況への対応になれてきたことから、当初の研究計画に近い進捗状況と言える。来年度以降も同様に研究を進めていく。経済実験に関しては、昨年度と同様に新型コロナウイルスの影響を強く受けた。一部で対面の経済実験を実施したが、新型コロナウイルスの感染状況には波があり、先の見通しを立てることが難しく、予定を立てて経済実験を実施するのは難しい状況であった。そのため、感染状況が落ち着いている合間に経済実験を実施するような形にならざるを得なかった。この状況に関しては、コントロールできないので、感染状況が落ち着いた段階で速やかに対面型の経済実験を実施できるように準備をすることを心掛ける必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
理論に関しては、この二年間で一定の研究を進めることができた。今後は新たな研究を進めると同時に、研究成果を論文としてまとめることも重要になってくる。その両方のバランスに留意しながら、研究を進めていくようにする。経済実験に関しては、新型コロナウイルスの感染状況という外的な要因に影響されるので、今後の研究の推進方策を立てるのが難しいのが正直なところである。ただ、経済実験の前の作業、例えば、最新研究の調査、経済実験の前提となる理論モデルの開発、そして、経済実験のデザインまでに関しては、新型コロナウイルスの影響を受けにくいので、それらを進めながら、対面型の経済実験ができる場合には、速やかに実施できるように準備をしておくようにする。また、新型コロナウイルスの影響でオンラインでの経済実験も増えているので、引き続き、オンラインでの経済実験の可能性も念頭に置いて準備を進めるようにしたい。ただ、実際にはトリートメント(処置)をオンラインで代替するのは難しいのが現実であり、難しい場合は無理にオンラインでは実施せずに、対面での実施にするという方針をとっている。
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