研究課題/領域番号 |
23K20178
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補助金の研究課題番号 |
20H01655 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
山口 美和 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80465856)
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研究分担者 |
田中 住幸 札幌大谷大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20814982)
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 教授 (30591193)
庄子 佳吾 仙台大学, 体育学部, 講師 (30848776)
北澤 明子 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (60736065)
木戸 啓絵 東海大学, 児童教育学部, 講師 (90746439)
杉山 浩之 広島文教大学, 教育学部, 教授 (60187680)
鈴木 康弘 八戸学院大学短期大学部, 幼児保育学科, 講師 (40848701)
高田 正哉 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (40824727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 幼児教育・保育 / 自然保育 / 認定・認証制度 / 教育的・社会的効果 / 森のようちえん / 保育の質 / 保育・幼児教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自治体が設置している「自然保育」を推進するための認定・認証制度の効果・影響を多角的に検証するため、①園・保育者への影響、②子ども・保護者への影響、③自治体・地域への影響、④諸外国との比較におけるわが国の制度の独自性 の4つの角度から調査を実施するものである。 これまでの4年間で、認定・認証園に勤める保育者を対象とする質問紙調査、認定・認証園に在籍する3歳児及び5歳児の保護者を対象とした質問紙調査(準パネル調査)、認定・認証園の視察及び園長への聞き取り調査、自治体の制度担当課を対象とするインタビュー調査を実施してきた。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、自治体が創設した「自然保育」に関する認定・認証制度が、園、保育者、子ども、保護者、地域等に与える影響や効果を実証的に明らかにすることである。 2023年度は、保育者を対象とする質問紙調査の分析結果について、前年度の日本自然保育学会第7回大会で行った発表内容に基づき、同学会の機関誌『自然保育学研究』第6巻第1号に2件の論文投稿を行い、掲載された。 また、自然保育に関する諸外国の制度について調査するため、9月にドイツの自然保育施設及び関係団体への視察・聞き取り調査を行った。自然保育施設については、モースヴィヒテル森の幼稚園、ヴァルトヴィヒテル自然幼稚園、聖ミハエルエーベンスフェルト・キツネ森の幼稚園、ミュンヘン市公立幼稚園等の視察と園長へのインタビューを行った。さらに、バイエルン州森の幼稚園連合会の代表者へのインタビュー、ミュンヘン市教育・スポーツ局保育課へのインタビュー、州立乳幼児教育研究所(IFP)において、ミュンヘン市行政関係者及び森の幼稚園連合会幹部へのインタビューを行った。この視察調査で得た成果については、2023年11月に行われた日本自然保育学会第8回大会において、2件の口頭発表として発表を行った。 子どもや保護者への影響を明らかにするための保護者対象調査については、5歳児の保護者を対象とした質問紙調査を行った。これは、2021年度に実施した3歳児の保護者を対象とする調査に続く準パネル調査である。 また、2023年度より「千葉県自然環境保育認証制度」を創設した千葉県の担当課(健康福祉部子育て支援課)に、創設の経緯及び制度の理念や認証園の反応についてインタビューを行った。また、認証園のひとつである「森のようちえん はっぴー」を訪問し、フィールド及び保育の視察を行うとともに、認証を受けての変化などについて園長にインタビューを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、認定・認証制度の園・保育者に対する影響、子ども・保護者に対する影響、自治体・地域に対する影響、諸外国の類似の諸制度との比較、の4つの観点から調査分析を行っている。 1番目の園・保育者への影響に関する調査については、認定・認証園に勤める全保育者を対象とする質問紙調査の分析を終え、2本の論文として学術誌に投稿し、公刊することができた。 また、2番目の子ども・保護者に対する影響に関する調査については、3歳児及び5歳児の保護者を対象とする質問紙調査を、予定通り2023年度末までに実施することができ、認定・認証園に通う中でどのような変化が子どもに現れるかを分析する準備が整った。 3番目の自治体・地域に対する影響に関しては、自然保育認定・認証制度を創設した自治体への訪問を随時行なっており、これまでに滋賀県、奈良県、千葉県への視察調査を終えている。 4番目の類似制度をもつ諸外国の調査については、2022年度のデンマークに続き、2023年度はドイツへの調査を行うことができ、情報収集が進んでいる。 以上のように、概ね計画どおりに研究が進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、これまでに収集したデータの分析を進め、学会発表や論文投稿を行っていく予定である。 保護者対象の質問紙調査については、6月までにデータの打ち込み作業を終え、2021年度のデータと比較分析を行うことをとおして、3歳児から5歳児に至るまでの変化を考察する計画である。 また、2024年9月に自然保育(森の幼稚園)に関する法律を有している韓国を訪問し、森の幼稚園ならびに行政機関への視察及びインタビューを行う計画である。現在までに、韓国の森の幼稚園に詳しいChang Hee-Jung教授にコーディネートを依頼しており、日程の調整と訪問施設の選定を行っている。2023年度に実施したドイツへの視察調査の結果については、昨年度行った学会発表をベースとして、投稿論文を執筆中である。学会の機関誌ならびに各大学の紀要等への投稿を予定している。 自治体を対象として行ったインタビューデータも蓄積しているため、今年度は、これらのデータの整理・分析を行い、成果として発表する予定である。 こうした作業を着実に行うため、月1回のペースで研究会を実施し、進捗を確認する計画である。
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