研究課題/領域番号 |
23K20194
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補助金の研究課題番号 |
20H01758 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯田 順子 筑波大学, 人間系, 教授 (90383463)
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研究分担者 |
遠藤 寛子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (30364425)
杉崎 雅子 小田原短期大学, 保育学科, 准教授 (40838950)
伊藤 亜矢子 学習院大学, 文学部, 教授 (50271614)
青山 郁子 都留文科大学, 文学部, 教授 (60586808)
茅野 理恵 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60754356)
川崎 知己 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (60806058)
岐部 智恵子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特別研究員 (80770502)
杉本 希映 目白大学, 心理学部, 教授 (90508045)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 子どもの強み / メンタルヘルススクリーニング / 学校全体支援モデル / ポジティブ心理学 / 学校心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
開発したシステムを小中高で勤務するSCに年間を通して実際に運用してもらうことを目指す。具体的には4月・5月にアンケートを実施し,6月・7月に心配な児童生徒のフォローアップ面接(あるいは全員面接)を行い,9月―12月に学校全体で“強み”を伸ばす心理教育の授業を実践し,学年末にアンケートを再実施し,効果を検証するといった,メンタルヘルススクリーニングを生かす実践を行う。小学校・中学校・高校の協力校と協議し,1年間を通した取り組みと効果の検討を行う。
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研究実績の概要 |
研究4年目(令和5年度)に行った研究及び研究成果は以下の通りである。 第1に,メンタルヘルススクリーニング(MHS)の方法の確立(研究3)として,中学生,高校生に個別の結果を返却できるシステムの開発を行った。また,予備的に1つの高校にて,アンケートを実施し個別結果を返却し,研究者が”強みの活用”について心理教育を行う実践を行った。これら一連の実践について,生徒にアンケートを実施した結果,肯定的な評価が得られ,この方法の有用性が支持された。MHSの方法の検討のプロセスについて,海外書籍の1章としてまとめ入稿している。 第2に,MHSの結果のフィードバックの方法の検討(研究4)として,中学校の協力校が1校増え,2校にて継続的にMHSを実施し,学校全体の結果,児童生徒の結果について学校にフィードバックを行っている。MHSについて学校から肯定的な評価が得られ,年2回の実施の依頼を受けている。ここで得られたデータについては,海外雑誌に投稿し1件採択されている。 第3に,MHSの結果のフィードバックの方法の検討(研究4)の一部である子どもの強みを伸ばす心理教育のプログラム開発として,これまで翻訳してきたポジティブ心理学介入プログラム(Suldo, 2016)を予備的に大学生に実施し,中高生に実施するうえでの留意点や文化的調整の必要性などについて意見を求めた。また,その開発されたプログラムの一部を,通信制課程に通う高校生に実施し,効果検証を行った。これらの予備的実践については,今年度学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り,研究1から研究4までの研究は概ね完了しており,論文や書籍,学会発表などで成果を公表している。これまでに得られた成果として,下記の4点がある。 1.小学校・中学校・高校・大学用のソーシャル・エモーショナル・ヘルスサーベイの日本語版の開発と信頼性・妥当性の検証 2.中学生・高校生におけるMHSの方法の確立と結果のフィードバックの方法の検討 3.子どもの強みを伸ばす心理教育プログラムの開発と発達的・文化的調整 4.スクールカウンセラーを対象としたストレスチェックやストレスマネジメント実践の実態把握
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を踏まえて,今年度の研究は小学校,中学校,高校でのMHSの実践と子どもの強みを促進する心理教育プログラムの実践を行うことを目指す。下記,小学校,中学校,高校での実践の推進方策を述べる。 小学校は,1000名以上の児童の回答を基に,MHSに使用するツールの開発及びツールの信頼性・妥当性の検証は完了している。今年度は,MHSを行う協力校を募り,MHSとして実施し,学校との連携のもと,子どもの強みを促進するプログラムを実施し,学校全体支援モデルの運用と学校現場での適用可能性を検討する。 中学校はすでに協力校が2校あり,MHSを定期的に行っているため,今年度はその2校において子どもの強みを促進するプログラムの実施と,MHSの結果と生徒の登校状況や学業成績との関連を検討し,MHSの臨床的妥当性を検討することを目指す。 高校もすでに3000名以上の生徒の回答を基に,MHSに使用するツールの開発及びツールの信頼性・妥当性の検証は完了している。今年度は,MHSを行う協力校を募り,MHSとして実施し,学校との連携のもと,子どもの強みを促進するプログラムを実施し,学校全体支援モデルの運用と学校現場での適用可能性を検討する。 今年度はこれらの成果について,研究発信を行う方法についても検討する。
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