研究課題/領域番号 |
23K20198
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補助金の研究課題番号 |
20H01769 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉永 尚紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (80633635)
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研究分担者 |
境 泉洋 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90399220)
小堀 修 宮崎大学, 医学部, 客員研究員 (40436598)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 社交不安 / 社交不安症 / 認知療法 / 遠隔支援 / ひきこもり / 認知行動療法 / オンライン |
研究開始時の研究の概要 |
社交不安症には「認知療法」が最も有効な治療ですが、国内外を問わず専門家が不足しているため、多くの患者が治療を受けられていない状況にあります。近年、遠隔診療の利活用により、地方に住む患者であっても、ひきこもり状態の患者であっても、数少ない認知療法の専門家から治療を受けられるようになることが期待されています。 我々の研究チームはこれまで、面接時間を短縮できる次世代遠隔型の認知療法プログラムを開発しました。この研究では、開発したプログラムが日本人の社交不安症に有効であるか臨床研究を通して検討するとともに、本プログラムのひきこもり状態にある重度の症例への有用性についても検討します。
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研究実績の概要 |
外来診療で対応可能なレベルにある社交不安症を対象に、次世代遠隔型認知療法プログラムの有用性・安全性を検討するパイロット試験(前後比較デザイン)を実施した。目標症例数であった15例のリクルートおよび介入実施が完了し、次世代遠隔型認知療法プログラムの有用性を実証した。具体的には、介入終了時点で、対象者の80%が顕著な改善を示し、60%が社交不安の診断が繋回レベルまで寛解した。また、副次評価項目として設定したうつ・不安症状、生活機能障害などにおいても、統計的に有意な改善が認められた。さらに、治療から脱落した対象者は7%で、重篤な有害事象は発生しなかった。また平均して、治療を受けた対象者はリリースされたモジュールの 94%を完了しており、アドヒアランスの高さが示された。以上の結果は英国および香港で実施された先行研究に匹敵するものであり、日本人用に改良した社交不安向け次世代遠隔型認知療法プログラムの有用性および安全性が示されたものと考える。なお、本成果については国際誌にも発表した(Yoshinaga et al. Preliminary Evaluation of Translated and Culturally Adapted Internet-Delivered Cognitive Therapy for Social Anxiety Disorder: Multicenter, Single-Arm Trial in Japan. JMIR Formative Research. 2023;7:e45136.)。このパイロット試験の結果をもとに、今後はランダム化比較試験の実施ならびに本プログラムのひきこもり状態にある当事者への適応を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、英国の研究者の協力が困難な状況になりプログラム構築が遅れ、また、国内での被験者のリクルートが想定よりも遅れた。その他、パイロット試験中の被験者の脱落があったため、追加のリクルートを行う必要性が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の大幅な変更はないが、今後計画しているランダム化比較試験では、治療担当者が所属している医療施設以外からの参加も可能にするなど、リクルート面での工夫を行う。
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