研究課題/領域番号 |
23K20199
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補助金の研究課題番号 |
20H01770 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東京成徳大学 |
研究代表者 |
石村 郁夫 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (60551679)
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研究分担者 |
中谷 隆子 埼玉学園大学, 人間学部, 講師 (50740924)
葉山 大地 昭和女子大学, 全学共通教育センター, 准教授 (40735643)
大矢 薫 新潟リハビリテーション大学(大学院), 医療学部, 講師 (50782504)
佐藤 修哉 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (20793243)
川崎 直樹 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90453290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | コンパッション・フォーカスト・セラピー / セルフ・コンパッション / コンパッションの恐れ / ランダム化比較試験 / 支援ツール / 思いやり恐怖 / マインドフルネス / 慈悲 / 増悪因子 / コンパッションへの恐れ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コンパッションの恐れに配慮した治療プログラムと支援アプリを開発し、その安全性と有効性を検証する。研究1では、コンパッションの副作用・有害事象に関する文献を収集し、治療抵抗を示す諸要因を抽出し、研究2では質問紙調査および面接調査で検証する。また、研究3では、治療や宿題への取り組みを促進させる支援アプリを開発し、その効果を測定する。研究4では、開発したプログラムを大学生に実施し、その安全性と有効性を検証する。研究5では、臨床群を対象に個別CFTおよび集団CFTの無対照試験を実施する。その上で、研究6ではランダム化比較試験を実施し、個別CFTおよび集団CFTの臨床事例への有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は,従来のCFTに治療抵抗を示す臨床群の精神的負荷を軽減するためにコンパッションの恐れに配慮した治療プログラムとe-learningシステムを開発し,そのプログラムの安全性と有効性を検証することを目的とする。 令和4年度は,昨年度の思いやり反応尺度の開発を踏まえて,パーソナリティ障害傾向とコンパッションの関連を量的に検討し,基礎資料を収集した(研究1-3)。各パーソナリティの特徴とコンパッションの関連が検討され,パーソナリティ障害傾向のある人はコンパッションを向けられた時に生じる抵抗(Fear, Blocks, Resistances)が高いことが明らかにされた。また,コンパッションに基づいた介入技法は慈悲の瞑想(compassion meditation)に由来しておりイメージ法が主となっているが,エクササイズに躓く参加者の多くはイメージ法の介入技法が苦手であると推定された。そこで,研究2では,一般大学生を対象に実験室研究を実施し,コンパッションのエクササイズで抵抗を示すと思われる思いやり恐怖の高低群にわけてコンパッションに満ちた理想的な他者のイメージ法を用いて効果を想定した結果,思いやり恐怖低群はエクササイズの効果を示すものの,思いやり高群はエクササイズの効果が得られなかった。さらに,研究3-1では,一般でCFTを受けたいと自ら希望した参加者に対して従来のCFTの介入プログラムを実施し,介入前後で,セルフ・コンパッション短縮版,DASS21などの指標でプログラムの効果を検証するために現在,データ収集中である。また,研究3-2では,プログラム受講者でインタビュー調査に協力していただける方を募集しており,そこで,思いやり反応尺度得点の変化および参加者がエクササイズでどのような抵抗が生じ,それらを乗り越えたのか半構造化面接により質的に検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度,コンパッションに基づくエクササイズによって生じる抵抗(恐れ:Fear,ブロック:Blocks,抵抗:Resistances)を測定する尺度を開発した。今年度は,この尺度によってこれまでに理論的に関連が指摘されてきた様々な精神的問題(本年度はパーソナリティ障害傾向とアルコール依存症)を取り上げて,構成概念妥当性を検証するために基礎資料を収集することとした。また,当初計画では,一般大学生を対象にCFTプログラムを実施する予定ではあったが,調査協力者を一般でCFTプログラムを受講したいと自ら希望した方とした。その後,臨床群を対象にコンパッションの恐れに配慮した治療プログラムを実施する予定であったが,研究3-1に一度,CFTプログラムを受講した参加者を対象にコンパッションに基づくエクササイズによって抵抗が生じたか?もし,抵抗が生じたらどのように乗り越えていったのか?また,治療抵抗が軽減していくのかプロセスを半構造化面接によって事前に検討し,臨床群を対象に実施する前に補足資料を収集した。また,研究2の実験室検討でコンパッションに満ちた理想的な他者イメージを用いたが,筆記療法(コンパッショネイト・レター・ライティング)などイメージ法を用いない介入技法の効果を実験室研究により検討しており,試験運用は来年度に移すことで対応することとした。
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今後の研究の推進方策 |
すでに,研究分担者の追加はこれまでに行ってきているが,今年度はさらに研究分担者を新たに追加することを検討している。今年度は,コンパッションの恐れに関する基礎資料を収集し,イメージ法以外の実験室検討を実施していく。さらに,半構造化面接を実施し,コンパッションの恐れがどのような要因によって軽減していくのかCFTプログラム受講者を対象に検討していく。それらが十分に検討されてから,一般大学生および臨床群に募集をし,実際に,コンパッションの恐れを配慮した治療プログラムを実施していく。研究4の参加者は,代表者や分担者の所属している大学で募集することを想定しているが,仮に,参加者が確保できない場合は,インターネット上でも募集することを検討する。以上にように,協力者の募集について事前にフローチャートで考慮し,速やかに対策が打てるようにしておく。
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