研究課題/領域番号 |
23K20204
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補助金の研究課題番号 |
20H01792 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三枝 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (70526962)
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研究分担者 |
阿部 紀行 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (00553629)
伊藤 哲史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10456840)
今井 直毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (90597775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 局所志村多様体 / 局所ラングランズ対応 / パーフェクトイド空間 / エタールコホモロジー / p進簡約代数群の表現論 |
研究開始時の研究の概要 |
古典群の局所ラングランズ対応とは,p進体上の古典群の既約表現を,p進体の絶対Galois群の表現によって把握するという理論である.その理論の根幹をなす局所Aパケットの構成は,保型表現論を駆使する間接的かつ難解なものである.志村多様体(高次元モジュラー多様体)のp進版である局所志村多様体のエタールコホモロジーと局所Aパケットの関係を明らかにすることで,局所Aパケットを直接的・幾何学的に扱う手段を開発することが本研究課題の第一の目標である.さらに,その手段を適用することで,局所ラングランズ対応が関係する幅広い分野に新たな成果・知見をもたらすことが第二の目標である.
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研究実績の概要 |
志村多様体とは,エルミート対称空間の数論的群による商として得られる代数多様体であり,局所志村多様体とは,そのp進体上の類似である.局所志村多様体のエタールコホモロジーは局所ラングランズ対応によって記述されると予想されており,その予想を解明することが主要な研究目的である.前年度までは,一般斜交群GSp(4)に対応する局所志村多様体を中心に研究を進めてきたが,本年度は,より難しい場合である,GSp(6)に対応する局所志村多様体の研究に着手した.前年度までの研究で,Fargues-Scholzeによる局所ラングランズ対応の幾何学化の研究が局所志村多様体のエタールコホモロジーを調べる上で重要な役割を果たすことが判明していたため,今年度はまず,斜交群Sp(6)に対し,Fargues-Scholzeによる局所ラングランズ対応が従来の局所ラングランズ対応とどのように関係しているかを調査した.その結果,Sp(6)の既約超尖点表現がG_2型という条件を満たすときに,その表現に対応するFargues-ScholzeのLパラメータは従来のLパラメータと一致することを証明することができた.また,単純超尖点表現と呼ばれる表現のクラスに対しては,G_2型という条件が満たされることも確認した.この結果を用いると,GSp(6)の局所志村多様体のエタールコホモロジーのうち,単純超尖点表現が寄与する部分を局所ラングランズ対応を用いて記述することができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで取り組んでいなかった,一般斜交群GSp(6)に伴う局所志村多様体のエタールコホモロジーと局所ラングランズ対応の関係について,一定の成果が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
今年度に新しく開始した,GSp(6)の局所志村多様体のエタールコホモロジーの研究を継続する.また,今年度までに得た成果について,証明の詳細を再確認しつつ論文を作成する.さらに,2020年度に着手して以来進展が止まっている,GSp(4)の内部形式に対するArthur予想の研究の完成も目指す.
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