研究課題/領域番号 |
23K20219
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補助金の研究課題番号 |
20H01810 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 城西大学 (2023-2024) 熊本大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
原岡 喜重 城西大学, 数理・データサイエンスセンター, 所長 (30208665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 解析学 / 関数方程式論 / 幾何学 / 代数学 / ユニタリ / モノドロミー / 完全積分可能系 / 可積分接続 / 大域解析 / 微分方程式 / 不確定特異点 / Stokes現象 / 平坦接続 / middle convolution |
研究開始時の研究の概要 |
完全積分可能系は,解空間の次元が有限となる偏微分方程式系で,常微分方程式との類似性と多変数特有の現象を併せ持つ興味深い存在である。数学・物理学の諸分野において登場し,それぞれの立場から研究されているが,本研究はいろいろな立場を総合し,常微分方程式論において近年発展したKatz理論の高次元化と組み合わせることで,そのmoduli空間の構造を解明することを目指している。Katz理論における中心的概念であるmiddle convolutionの高次元化,多変数固有の操作である制限と延長など,moduli空間における操作を構築し,不確定特異性の解析も含めて構造の解明を進めている。
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研究実績の概要 |
不確定特異性を持つ可積分接続の研究を進め、確定特異点型の場合には定義される特異点集合への制限に対応するものとして、強漸近展開における漸近データと呼ばれる形式ベキ級数の無限族が取れるのではないかという着想を得て、理論整備を進めた。 多変数の完全積分可能系の研究と並行して、常微分方程式に関する新しい研究を始めた。rigidな微分方程式は、解の積分表示を持つため、ねじれサイクル(積分表示における積分領域)の交点数から自然にモノドロミー不変2次形式が得られる。特性指数が実数の場合には、その2次形式はHermite形式となり、モノドロミーの有限性の判定や、共形場理論と関わる場合には相関関数の構成に用いられるなど、重要な働きをする。non-rigidな微分方程式について、モノドロミー不変Hermite形式が存在するかという問題、すなわちモノドロミーのユニタリ性の問題は、あまり研究されていないように思われる。この問題に興味を持ち、non-rigidの中で最も簡単と思われる3階で確定特異点が3点の場合に考察を行った。その結果、特性指数を実数とすると、ユニタリなモノドロミーを持つ微分方程式が複素1次元分存在することがわかった。平均曲率一定曲面の記述に関わる方程式など、外的な要因でモノドロミーがユニタリになることが先験的にわかる場合を除くと、内在的にユニタリ・モノドロミーの存在を明らかにした新しい結果と考えられる。微分方程式の変形理論との関わりなど、新しい研究テーマにつながることが期待される。 対面・遠隔併用の研究集会を開催することができた。多彩で興味深い講演を集めることができ、有益な研究交流が実現できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい研究テーマの開拓ができ、研究の幅を広げることができた。対面を主とする研究集会も開催することができて、多くの新しい研究成果を多くの研究者と共有することができ、有益な研究交流を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
対面による研究集会の開催、国際研究集会への参加、国内研究集会・セミナーへの参加などを行い、研究成果の発表と研究交流を進める。定期的なセミナーを開催し、新しい結果の紹介や研究テーマに関する議論を行う。 研究内容としては、確定特異点型の完全積分可能系(可積分接続)について、種々の操作を組み合わせて作られる力学系の観点から解析を行うことを考え、新しい研究手法の開発を目指す。
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