研究課題/領域番号 |
23K20229
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補助金の研究課題番号 |
20H01861 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 鉄平 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10376600)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 光電子分光 / 金属絶縁体転移 / モット転移 |
研究開始時の研究の概要 |
強相関電子系の電気伝導には、非線形伝導や電気抵抗スイッチング現象、電荷密度波の並進運動など、古典的な輸送現象の枠組みを超えた新奇な現象が数多く観測されている。しかし、それらの機構は明らかになっていない。その中で、ルテニウム酸化物は、非常に小さい臨界電場で絶縁体から金属へ転移し、直流電場による多彩な物性を示し注目を集めている。 本研究課題では、モット絶縁体に電流を流した非平衡電子状態はどのように理解されるか、という根源的な問いにたいして、電場印加下の光電子分光により、フェルミ準位付近の電子状態を直接観測し、これらの新奇な伝導現象の解明を行う。
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研究実績の概要 |
強相関電子系の電気伝導には、非線形伝導や電気抵抗スイッチング現象、電荷密度波の並進運動など、古典的な輸送現象の枠組みを超えた新奇な現象が数多く観測されている。しかし、それらの機構は明らかになっていない。その中で、ルテニウム酸化物は小さい臨界電場で絶縁体-金属転移を示し、直流電場による物性を示し注目を集めてきた。本研究課題では、強相関電子状態に電流を流した非平衡電子状態の知見を深めることを目的として、電場印加下の電子状態を光電子分光により観測し、新奇な伝導現象の解明を試みる。 非線形伝導の特徴を持つ強相関電子系について光電子分光による電子状態の観測を行った。金属絶縁体転移を起こすCa2-xSrxRuO4に観測された表面金属相については、硬X線光電子分光を用いて、電子状態の角度依存性の詳細な測定を行い、表面金属相の特徴について知見を得た。また、角度分解光電子分光で測定された表面金属状態の準粒子構造については、自己エネルギーのモデル解析を行い、2つの格子振動のモードと結合していることを明らかにした。この結果について、論文にまとめ、Journal of the Physical Society of Japanより出版した。 新奇な電子-格子相互作用を持つ物質として、籠状構造を持つBaIr2Ge7の角度分解光電子分光を行い、準粒子構造の詳細な温度依存性を調べた。非調和振動と結合した準粒子構造を先行研究によって提唱された理論モデルで解析を行い、スペクトル幅の温度変化と電気抵抗率の温度変化が定性的に一致することを見出した。この結果は、籠状物質などの物質系で観測されている、上に凸の電気抵抗率の温度依存性の特徴が、非調和格子振動と電子の相互作用でもたらされることを示している。以上の結果について、論文にまとめ、Physical Review Bより出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非線形伝導の特徴を持つ強相関電子系の新奇な電子状態について、非調和格子振動などの電子格子相互作用の理論モデルに基づいた解析を進め、論文として出版することができた。強相関電子系における電子格子相互作用が強い物質の電子構造の理解が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ルテニウム酸化物の電子構造については、X線吸収分光スペクトルの温度依存性と電流依存性の比較検討を行う。引き続き表面金属状態とバルク絶縁体状態の特徴を硬X線光電子分光を用いて詳細に調べる。電子格子相互作用の強い強相関電子系の準粒子構造についてルテニウム酸化物以外の物質系についても特徴を調べる。
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