研究課題/領域番号 |
23K20233
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補助金の研究課題番号 |
20H01918 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂口 聡志 九州大学, 理学研究院, 教授 (70569566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 超重元素 / 不安定核 / 核融合 / 核分裂 / 安定の島 / 核融合反応 / 重元素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、長い寿命を持ち安定的に存在する超重原子核、いわゆる「安定の島」領域の未知の原子核の合成手法を探索することを目的とし、質量数50近傍の中性子過剰核による融合反応のメカニズムを研究するものである。この目的のため、融合反応過程の途中で核分裂に分岐する過程の反応確率(断面積)を測定し、安定核と比べて多くの中性子を持つ中性子過剰核の性質が融合反応過程の前半部分(入口チャネル)に与える影響を定量的に分析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、融合反応測定のための核分裂片同時計数検出器を開発し、二次ビームとして生成する質量数50 近傍の中性子過剰核と重原子核の融合反応メカニズムを研究することを目的とする。このため、2種類の検出器を開発する。1つはMCP型飛行時間検出器であり、ビーム粒子の飛行時間からエネルギーを測定するものである。もう1つは大立体角位置検出器であり、2つの核分裂片の放出角度と飛行時間を同時計測し、核分裂片の質量比を測定するものである。 この目的のため、令和3年度は主に後者の大立体角位置検出器の開発を行った。最適な大立体角位置検出器として多芯線比例計数管MWPCを選定し、その詳細な設計を行った。シミュレーションに基づき、十分な時間分解能および位置分解能を達成するための構造として、ワイヤー方向(XYの2方向)、ワイヤー径20um、ワイヤー間隔2mm(2本を接続して読み出すことで4mm間隔の検出)、ギャップ6mm、有感領域320mm×280mm、ウィンドウ膜12.5um(将来的に4um程度のものを試験予定)などの仕様を決定し、実機の製作を完了した。完成後の検出器は今後、九州大学加速器・ビーム応用科学センターにて陽子や炭素などの軽イオンやヨウ素などの重イオンビームを用いた試験を実施する予定である。 また、多芯線比例計数管MWPCの運転のために不可欠な検出器ガス供給システムの設計を3D CADを用いて行い、実機の一部(特に真空槽へのガス導入部分)の製作に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたMCP検出器の開発は基本的に終了し、MWPC検出器も実機が完成しており、おおむね順調に進展していると評価できる。今後、ガス供給システムを製作し、初年度に整備した測定回路と組み合わせることで検出器セットアップを完成させることができる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ガス供給システムを製作し、初年度に整備した測定回路と組み合わせることで検出器セットアップを完成させ、九州大学加速器・ビーム応用科学センターのタンデム加速器からのビームラインに設置し、ビーム試験を行う予定である。
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