研究課題/領域番号 |
23K20235
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補助金の研究課題番号 |
20H01922 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
幅 淳二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別教授 (60180923)
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研究分担者 |
住澤 一高 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (40379293)
中村 克朗 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60714425)
三好 敏喜 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (20470015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | スペクトロメータ / ピクセルセンサー / コンパクト / 素粒子実験 / 原子核実験 / ピクセル検出器 / 高温超伝導 / トラッキング / 運動量 |
研究開始時の研究の概要 |
従来大型の電磁石と軌跡検出器を組み合わせるのが運動量測定の定番であったが、現代においては超高精度の軌跡測定がピクセル半導体検出器により可能となり、またネオジムなどのレアアースメタルの合金によるな強力な永久磁石を利用した双極電磁石によってコンパクトな空間ではあるものの0.3T程度の測定磁場が提供される。これらを組み合わせることで、これまで想像できなかったハンディな高精度運動量測定システムが実現可能となる。 本研究ではそうしたシステムを実際に組み上げて、その性能をシミュレーションとビームテストなどによる実測に基づいて評価していき、実用性の高い形を追求した。
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研究実績の概要 |
本年度は、以下の3点について研究を進めた。 1)現実的なセットアップ(磁場、ピクセル検出器の台数と配置)と測定位置精度を含めたシミュレーションコードを準備して、最も効率的なスペクトロメータの構成、その到達精度の評価などを行っている。測定位置精度が合理的に与えられるアルゴリズムなどについて、センサー内部のメカニズムを取り入れるなど、精密化の検討を行なっている。 2)マイクロスペクトロメータを実用するとき課題となりるシステムのレート耐性を高めるため、新しいタイプのピクセルチップをLSIシミュレータによる評価を併用しながら設計試作を行なった。またその試作チップについて、センサーとしての機能に関する評価試験を行うための評価ボードの製作を行なった。年度後半より、実際に評価試験を開始しその機能についての確認を行なった。検出器のピクセルセンサーとしての機能は確認ができ、赤外線光源に対する反応も予想通りであった。またSr-90から発生するベータ線についても反応していることが確認できた。 3)マイクロスペクトロメータの性能を決定する要素である、超高磁場発生可能な超電導電磁石の技術動向を、文献や有識者との議論から情報収集を行なった。近年、新しいタイプのトカマク核融合炉への応用においてREBCO(Rare Earth Barium Copper Oxide)をテープ状の線材とする高温超伝導マグネットが試作され、高いパフォーマンスを実証したことに大きな注目をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレーションによる評価作業の準備は、コロナ禍の影響をそれほど被ることなく予定以上の内容を含むことができる見通しとなってきた。半導体需給の逼迫により、遅れが生じた試作チップの製造であるが、その後の評価作業はなんとか軌道に乗ったところである。来年度には予定した評価を終了できるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
高度化しつつあるシミュレーションコードを使って、本研究の目標であるマイクロスペクトロメータの現実解と最大到達性能についての合理的な評価を行う。こうしたシミュレーションの前提条件となるピクセル検出器の性能やスペクトロメータ磁場の到達強度についての合理的な評価については引き続き、実験的な評価と情報収集を進めていく。
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