研究課題/領域番号 |
23K20237
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補助金の研究課題番号 |
20H01943 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 隆志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90323500)
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研究分担者 |
藤吉 拓哉 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (00450180)
大坪 貴文 産業医科大学, 医学部, 助教 (50377925)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 天文学 / 赤外線 / 赤外線天文学 / 時間軸天文学 / 系外惑星 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、熱赤外線波長で時間軸天文学を実現することを目標にしている。その実現のためにキーとなる感度補正用校正ユニットを開発し、現在開発中の熱赤外線観測装置に搭載する。これにより熱赤外線でこれまでにない精度を持つモニタ拠点として完成させ、赤外線変光の兆候を示す円盤や太陽系内小天体などの観測を実現する。これらは惑星形成過程について貴重な情報を与えるものである。
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研究実績の概要 |
時間軸天文学は天体の時間変動によって通常のスナップショット観測では得られない、天体の物理化学現象の情報を得る観測天文学の手法である。近年は可視光にとどまらず、X線や電波、近赤外線などで活発な研究が進められているが、熱赤外線(波長3-40μm)での時間軸天文学は未開拓であり、そのモニタ体制は世界的にみても未整備である。 本研究では、このモニタ観測を実現するうえで技術的課題であった感度校正の実現を目指す。具体的には、黒体炉とレンズからなる校正ユニットを開発し、実験室による性能確認試験を進めてきた。 令和4年度までの研究で校正ユニットはハードウエア的な開発を完了し、生の評価試験も実施した。結果、目標性能の達成にめどを付けることに成功した。令和5年度は、この成果を投稿論文としてまとめるとともに、実験室内の試験を継続し、安定性の評価も行った。TAO望遠鏡のあるチリへの輸送は現地の実験室の完成が大幅に遅れたため令和5年度には実施できなかったが、令和6年4月に実験室が完成したので、輸送と観測準備が進められる見込みである。TAO望遠鏡の準備ができ次第、研究テーマである太陽系外惑星の形成やジャイアントインパクトの観測研究を進める予定である。なお、科学観測の開始に向けアーカイブや取得済みのデータ解析も実施しており、またHAYABUSA2プロジェクトや将来の太陽系内小天体探査計画関係者など関連研究者とも会議を行い、観測戦略の精査も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
校正ユニットの開発などは順調に進めてきたものの、TAO望遠鏡のあるチリに輸送後に実験を行う山麓実験施設の建設が当初予定より1年も遅れたため、令和5年度に計画していた輸送ができなかった。建設の問題は解決したので、今年度の輸送は可能との見通しではあるが、計画はこのため「やや遅れている」状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの開発で中間赤外線モニタ観測用の校正ユニットは完成、実装を終え、査読論文での発表も行った。チリへの輸送は現地状況のため遅れがあるが、輸送可能になり次第現地に運び最終チェックを経て望遠鏡への搭載を目指す。できるだけ早い段階でオンスカイでの評価実験を行い、科学観測をスタートさせたい。
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