研究課題/領域番号 |
23K20252
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補助金の研究課題番号 |
20H02120 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
神田 健介 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (20446735)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 圧電薄膜 / MEMS / エナジーハーベスティング / 無線電力伝送 / 磁石薄膜 / 振動発電素子 / 非線形効果 / 圧電 / 磁石 / 振動発電 / 非線形振動 / エナジーハーベスタ / 自律センサ / ハーベスタ / 半導体製造プロセス / 強誘電体 / 強磁性体 / 薄膜 / 微細加工 / 磁性体薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は磁石と圧電薄膜を融合させることにより,高効率・高出力な振動発電素子を実現させることを目的としている。電子部品のようなサイズの振動素子には機械電気エネルギ変換素子であるPZT薄膜と振動質量となる磁石が搭載されており,離れた位置から低周波磁場が印加されると素子が振動してPZT薄膜が電圧を生じる。すなわち,無線で電力を伝送させることが可能である。これを半導体プロセスで小型化し,センサ用電源として利用することを目指している。低周波磁場は人体への暴露制限が高いことや,間に遮蔽物があっても電力伝送が可能であるため,人体内に埋め込まれたセンサの電源にも利用可能である。
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研究実績の概要 |
振動を入力とするMEMS発電素子の広帯域化を目的としている。具体的には薄膜磁石を用いた非線形振動を導入することを当初予定していた。MEMSプロセスとして,薄膜磁石と圧電薄膜をMEMS素子として融合させることに成功した。また,磁石をおもりとした素子への入力振動と磁場との相互作用,および圧電によるエネルギー変換の影響をモデル化し,集中定数系の等価回路を構築することによって計算することに成功した。一方で,構築したモデルを用いた計算の結果,作製に成功している薄膜磁石を用いたMEMSの系で振動発電素子の広帯域化を行うには,より大きな磁石膜厚が必要であることが明らかとなった。そのため視点を変え,同様の構造でより応用の幅が広い,外部磁場により遠隔で電力を伝送する無線電力伝送素子をターゲットとすることとした。今年度は4本のトーションバーにより振動の節を支持する,高振動性能指数の構造体を提案し,圧電薄膜と磁石を組み合わせた構造体をMEMS工程によって試作した。構造は外部コイルで与えられる低周波磁界によって構造体が共振し,圧電薄膜によって電力を受け取る構造となっている。評価の結果,2cm角程度のサイズの素子によってmWオーダの電力伝送が可能であることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた振動発電素子の広帯域化については,磁石薄膜と圧電薄膜を集積するMEMSプロセスを確立した一方で,等価回路モデルによる計算の結果,薄膜磁石では双安定状態を実現するような広帯域化が困難なことが明らかとなった。そのため,同様の構造でより応用の幅が広い無線電力伝送素子をターゲットに変更している。ターゲットを変更したものの,これまでのノウハウ・蓄積を利用して実際に素子を設計・試作を行い,mWオーダの電力伝送に成功しており,MEMS素子としては非常に大きなエネルギー伝送を実現した。以上のように方針を変更しつつ成果が出ており,概ね順調に研究が進展しているといえる状況である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に試作した素子に関し,最適設計を行うことでよりエネルギ変換効率の高い構造を目指す。
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