ゲリラ豪雨やマイクロバーストなどの局所的な極端気象現象は、人間の社会的生活における安全上の脅威となっており、その発達段階での早期検出が課題となっている。しかし、従来のウィンドプロファイラーや気象レーダーでは、風速ベクトルのドップラー速度成分しか計測できないため、局所的な擾乱を高精度に計測することには限界がある。本研究では、厳密な移流散乱方程式に基づくインバージョン法により、レーダーを用いた高分解能3次元ベクトル風速場観測技術を開発する。これにより、例えば航空機離着陸時のフライトパス上の気象擾乱の検出や、高層建築物の密集する都市環境における気象擾乱の検出を可能とするレーダー開発への道筋をつける。
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