研究課題/領域番号 |
23K20280
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補助金の研究課題番号 |
20H02849 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
駒場 慎一 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (20302052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 電解液 / カリウムイオン電池 / 電気化学 / 電極 / 黒鉛 / 添加剤 / インサーション / プルシアンブルー / 濃厚電解液 |
研究開始時の研究の概要 |
繰り返し充放電が可能な蓄電池が,環境・エネルギー問題の具体的な解決策として注目されている.従来型の蓄電池はレアメタルや毒性元素が必要であったが,本研究が取り上げるカリウムイオン電池は,この課題を解決出来る高性能蓄電池として期待されている.本研究計画では,カリウムイオン電池の電解液を開発し,黒鉛負極で進行する電気化学反応の高速化を図る材料技術を開発すると共に,反応過程を理解する基礎研究から,次世代蓄電池の材料開発に寄与するものである.
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研究実績の概要 |
2021年度までに,カリウムイオン含有の有機電解液と黒鉛電極の電気化学特性について調査を実施し,カリウム黒鉛層間化合物の相転移の解析を行った.特に,黒鉛電極へのカリウム挿入・脱離時の相転移について,オペランドX線回折を用いて,結晶構造,とくにステージ構造,結晶子,結晶欠陥の変化を詳細に調査した. 黒鉛電極での調査結果を基に,新しく開発した電解液添加剤1,3,2-Dioxathiolane 2,2-Dioxideが金属カリウムの不動態化を促進し,安定な溶解析出反応を示すことを突き止め,その成果を活用することで,金属カリウムの表面前処理法を見出して,高分子固体電解質でのK半電池の作製法を確立し,プルシアンブルー系正極と黒鉛負極の二次電池作動に成功し,全固体カリウムイオン電池を初めて実証した.また,4ボルト作動が可能な正極材料KFeSO4Fについて,マグネシウムドーピングの効果を調査した. 新しい電解液添加剤として,様々な検討の結果から,ジメチルスルファモイルフルオライドを見出した.この添加剤はFSAアニオンと部分構造が類似しており,黒鉛負極の不動態化に特に顕著な効果を示す上,電極反応の高速化にも有効であった.さらに蓄電デバイスとして利活用する際に重要となる正極での耐酸化性も十分に高いことから,カリウムイオン電池全体の寿命を大幅に改善することができる. 以上の研究成果等を国際誌に発表した。2023年度は,これら黒鉛電極におていK挿入と Rb挿入反応の速度論的評価を進めると同時に,新たに希薄電極法を適用して定量的な理解を図り,キャリアイオンの違いが電池の電極反応速度に与える影響や,新しいカリウムインサーション材料の研究について検討に引き続き取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究開始3年で,当初の想定を上回る論文発表を行っている.研究の内容では,電解液構造の調査とモデル電極(黒鉛)の調査が順調に進み,なかでも全固体ポリマー電池や液体系電池の特性を飛躍的に改善する電解液添加剤を開発していることから当初の計画以上の進展が見られる.これらの成果を発展させて,異なるゲスト種(Li, Na, K、Rb)との比較と不動態被膜を含む界面挙動の系統的理解から,新に希薄電極法による速度論的解析に取りかかり,一部は学会に成果発表を行った.これらの成果も今後,学術誌での発表を目指して調査を加速させている。
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今後の研究の推進方策 |
黒鉛電極やハードカーボン電極をモデル電極として,アルカリ金属ゲスト種(Li, Na, K、Rb)の系統的理解および速度論的解析を行い,電極反応の本質的な機構解明と高性能化の指針を確立し,電池への応用展開を図りたい.
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