研究課題/領域番号 |
23K20282
|
補助金の研究課題番号 |
20H02911 (2020-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 東京大学 (2023-2024) 東京工業大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
宮永 顕正 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10623126)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | 微生物酵素 / 結晶構造解析 / タンパク質間相互作用 / クロスリンク / ポリケタイド合成酵素 / ポリケタイド |
研究開始時の研究の概要 |
ポリケタイド抗生物質の生合成において中心的な役割を担うポリケタイド合成酵素は、複数の触媒ドメインからなる巨大タンパク質であり、多段階の反応を触媒する。本研究では、ポリケタイド合成酵素の反応機構の全貌を明らかにすることを目的とする。独自に開発したクロスリンク反応を利用することにより、ポリケタイド合成酵素の各触媒ドメインとキャリアータンパク質との間の一時的な相互作用の解明やモジュール全体構造の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
モジュラー型ポリケタイド合成酵素 (PKS) はポリケタイド化合物の基本骨格構築を担う酵素である。その反応においては、アシル基を結合したキャリアータンパク質 (CP) がモジュール内に存在する各触媒ドメインに順番に運ばれ、一連の反応を受ける。各触媒ドメインはCPを認識して結合していると考えられ、その相互作用の詳細に興味が持たれる。 本年度は、昨年度に引き続き、抗生物質FD-891の生合成に関わるPKS GfsAのローディングモジュールの構造機能解析を検討した。GfsAのローディングモジュールは、KS様脱炭酸酵素 (KSQ) ドメインとアシル基転移酵素 (AT) ドメインとCPドメインの3つのドメインから構成される。KSQドメインにCPドメインが結合したGfsA CP=KSQ-ATクロスリンク複合体の結晶構造解析を進めた。その結果、分解能3.4 Åでの構造を決定することに成功し、KSQとCPの間の相互作用様式を明らかにすることができた。決定した構造は、脱炭酸過程におけるPKSローディングモジュール全体構造に相当することから、意義深い結果であるといえる。より高分解能の構造を決定すべく、GfsA CP=KSQ-ATクロスリンク複合体の結晶構造解析を継続して進めている。クライオ電子顕微鏡データも収集しており、現在、解析を行っている。 また、今年度は、クレミマイシン生合成に関わるPKSに含まれる脱水酵素 (DH) ドメインとCPのクロスリンク反応を新たに検討した。パンテテインアミドプローブを用いてCPドメインを修飾したのちにDHドメインを混合したところ、これらのクロスリンク複合体が特異的に得られることがわかった。現在、得られた複合体を精製し、結晶化の検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KSQドメインとCPドメインのクロスリンク複合体の結晶構造を決定することに成功したことから、順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きPKS触媒ドメインとCPの複合体についてクロスリンク反応を検討し、クロスリンク複合体が得られれば、結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡解析を検討する。得られた成果について、学会発表や論文発表を行う。
|