研究課題/領域番号 |
23K20288
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補助金の研究課題番号 |
20H03016 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 信州大学 (2021-2024) 北海道大学 (2020) |
研究代表者 |
宮本 裕美子 信州大学, 農学部, 助教(特定雇用) (50770632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 菌根菌 / 宿主特異性 / 生物間相互作用 / 気候変動 / シベリア / 温暖化 / 森林分布 / カラマツ / ツンドラ |
研究開始時の研究の概要 |
温暖化に伴い、森林分布が拡大することが予測されている。樹木はその成長に必要な養水分を根で共生する外生菌根菌を介して吸収しているため、樹木分布の予測にはこうした共生関係を取り入れていく必要がある。本研究では、東ユーラシアの森林限界の優占種であるダフリアカラマツを対象に、宿主特異的な菌根菌との相互関係(生態、機能、進化)について明らかにする。
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研究実績の概要 |
温暖化に伴い、森林分布が拡大することが予測されている。樹木はその成長に必要な養水分を根で共生する外生菌根菌を介して吸収しているため、実生の定着や分布域の拡大には菌根共生が必要である。本研究では、樹木の生育していない非森林帯に樹木実生が定着するために適した条件を検証することを目的とする。これまでにユーラシアの森林北限を形成するカラマツを対象として、その菌根菌群集を明らかにしたところ、宿主特異的な菌種の優占率が高い傾向が見られた。
今年度は特に出現頻度の高かったショウロ属に着目し、その分布域について調査を実施した。国際データベースでは申請者らの登録した東シベリアのカラマツ林以外の記録は確認されなかった。また国内の気温傾度にそったカラマツ林にて菌根菌群集の調査を行ったところ、カラマツショウロは発見されなかった。よって、現時点で記録されているカラマツ特異的なショウロ属はカラマツショウロ1種である。さらに、カラマツショウロの優占率は北極域の森林限界で最も高く、調査地の緯度の低下とともに減少する傾向が明らかとなった。このことから、カラマツショウロは北極域の低温・乾燥環境に適応もしくは依存した菌種である可能性が考えられる。また室内でダフリアカラマツの実生への接種実験を実施したところ、ヌメリイグチ属(ハナイグチ、キノボリイグチ)やTomentella terrestrisで菌鞘形成が確認されたが、同じ条件ではカラマツショウロの菌鞘形成は確認できなかった。現在は実生を低温や乾燥環境で生育するなど、カラマツショウロの菌根形成の条件を探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
菌根菌群集の広域分布の解析を進め、北極域のカラマツ林に特有の傾向が明らかとなってきた。一方で実生の定着条件については現地調査が難しいことから、実験系を改良中であるためやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに現地で採取したサンプルと菌株を活用して実験を進める。
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