研究課題/領域番号 |
23K20292
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補助金の研究課題番号 |
20H03091 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
磯田 宏 九州大学, 農学研究院, 教授 (00193392)
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研究分担者 |
友田 滋夫 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20557962)
岩佐 和幸 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (40314976)
宮崎 卓朗 佐賀大学, 経済学部, 教授 (50209889)
高梨子 文恵 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (60547214)
矢野 泉 広島修道大学, 商学部, 教授 (90289265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | メガFTA/EPA / 多国籍アグリビジネス / フードレジーム / 食生活の政治経済学 / 農業食料政策 / 世界農業市場分析 / コーヒー / ブロイラー / FTA・EPA / 農業食料複合体 / メガFTA・EPA / 東南アジア / フードレジーム論 / 農政転換 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国は東南アジア諸国との経済連携協定ネットワークを形成している。新興国・途上国での所得上昇,先進国での所得停滞と格差拡大,および国境障壁低減の下で,食料消費の階層的差異化と諸国間収斂が同時に進み,それらに供給する農業食料複合体の新た胎動している。 本研究は,これらの動きのメカニズムと,それがもたらす食生活・農業・農村ならびに各国農業政策への正負のインパクトを明らかにすると同時に,欧米中心的だった政治経済学的な国際農業食料諸関係分析(フードレジーム分析)において,国際共同研究によって日本-東南アジアの文脈から新たな地平を開くのが,本研究の学術的問い,目的および意義である。
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研究実績の概要 |
2022年度は,2020年度と2021年度にコロナ禍のため最も重要な外国現地調査が一切出来なかったことから,事故繰越・繰越予算を含めて実施するとともに,国内現地調査等を組み合わせて,①日本から対象諸国への代表的農産物輸出について産地・関連企業調査分析,②タイの水産関係輸出複合体の実態調査分析,③マレーシアの輸出向けパーム油産業調査分析,④ベトナムのコーヒー輸出複合体の活動を進出先ラオスを含めて調査分析する,⑤対象全4ヶ国食料消費者ウェブ調査データ分析を行なうという,目的と実施計画を立てた。 このうち,①については青森県リンゴの産地・集出荷輸出関連企業の現地調査で情報・データ収集を行ない,その分析を進めた。④については,ベトナム研究協力者(ベトナム国家農業大学Luu Van Duy博士・専任講師),ラオス研究協力者(同国商業通商省商業通商研究所Sramany Nilanlath研究員)等と両国高原地帯コーヒー産地の調査分析を実施し,産地バリューチェーンの複雑な実相を明らかにすると同時に輸出複合体の各アクター(ベトナム企業,タイ企業,ラオス国有企業・民間企業,協同組合,それらと関わるコーヒー生産者)の多様な存在形態と行動様式についてデータ収集を行ない,その一部を学会報告した。⑤については,調査データの分析に着手して一定の進展を得た。②については担当の分担者が所属大学学長に就任したため,急遽別の研究協力者(浅居孝彦氏)を迎え入れ,テーマをタイに本拠を置く巨大多国籍企業によるベトナムを含むブロイラー国際複合体の構造解明に変更し,両国で調査分析を行なった。③については担当の分担者が所属大学学部長に就任したため文献資料調査に変更して,東南アジア等における多国籍アグリビジネスの多様な展開の方法論的・統計的解明を行なった。またフードレジーム論と食生活政治経済学の包括的研究も継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による国際移動制限が徐々に緩和されたが,複数の研究分担者が所属大学の学長や学部長に選出されて就任するという想定外の状況が生まれたため,とりわけそれらが担当している外国現地調査とそれにもとづく調査分析を計画どおり進捗させることが出来なかった。手法を文献資料調査に変更する,内外研究協力者を加えたり対象国・分野を変更するなど努力はしたが,若干の遅れを生まざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
①タイを拠点とする飼料・ブロイラー産業の東南アジアから中国にまで広がる国際生産システムとそこから日本を含むグローバル市場への輸出複合体と,それによる越境的労働力動員という重要な分析対象を摘出できたので,その解明に注力する。②所属大学要職に就いた分担者もタイ水産業輸出複合体の調査を行なうべく,慎重な日程調整と現地研究者の協力体制構築に注力する。③これら東南アジアからの輸出複合体が日本市場へアクセスする際の日系総合商社や食品流通企業等の対応・提携関係解明とともに,④日系食品小売大手が東南アジア展開を果たす上での総合商社の役割・機能の解明に注力する。⑤日本から東南アジアへの輸出品については,調査分析進行中のリンゴ産地に加えて,高級和牛産地の調査分析に取り組む。以上をつうじて課題解明にアプローチする。
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