研究課題/領域番号 |
23K20293
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補助金の研究課題番号 |
20H03100 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 潤一郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20362428)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 間隙ネットワーク / パーコレーション / 格子ボルツマン法 / 非混合性流体 / 疎水性粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌などの多孔質媒体の構造や,内部の水や空気などの移動の様子が,近年の計算手法や観測機器の発達により詳細に分かるようになってきている。理論的な面では,パーコレーション理論により,多孔質媒体への流体の侵入現象の背後に間隙のネットワークとしての特性があり,それに応じて侵入様式が決まることが示されている。本研究では,格子ボルツマン法や間隙ネットワークなどのシミュレーションモデルや実験や観測を通して,その理論の検証やさらなる発展を目指す。さらに,応用として疎水性粒子を含んだ際の多孔質媒体の水理特性の変化について,理論やシミュレーションにより,変化のメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
昨年に引き続き,格子ボルツマン法による間隙スケールの侵入現象に関するシミュレーションモデルの精緻化や間隙ネットワークモデルによる浸潤・排水過程の水分保持特性のモデル化,3Dプリンタによって作成した単純化した多孔質媒体モデルを用いた浸透実験を行った。 格子ボルツマン法を用いたシミュレーションでは,3次元の球形粒子を充填した多孔質媒体モデルやマイクロトモグラフィによる砂岩の間隙モデルに対して,接触角を0°とした液体の侵入過程について,オーバーラップやコーナーフロー,フィルムフローといった給水過程で特徴的な侵入パターンの再現を行った。 間隙ネットワークモデルでは,複数の濡れ性と粒径をもつ粒子から構成された多孔質媒体の水分保持特性の再現を行い,実験結果との比較を行った。複数の濡れ性を持つ間隙の合成接触角の推定方法に課題が残るため改良を行っていく。 3Dプリンタによる他行した媒体モデルでは,侵入方向とそれに垂直な方向である側方の間隙への侵入実験をCa数やRe数を変化させて行った。側方により大きな間隙を配置した場合,準静的や低Re数では側方のみに侵入したが,Re数が大きくなると直進方向にも侵入するようになることが確認された。これまでは定性的に知られていた現象を定量的に評価を行っていく。 変分法を用いたForchheimer流れの定式化を行い,その数理モデルに基づいて数値計算を行った。これまでの慣例的なモデルとは透水係数の空間的変化により生じる項が付け加わった形になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
格子ボルツマン法や間隙ネットワークモデルを用いた研究は当初の予定通り,対象とする現象や物性を増やしてきている。3Dプリンタを用いた多孔質媒体モデルの作成は,使用するレジンによりモデルの仕上がりが変化したり,造形後モデルが反ったりしたが,3Dプリンタのパラメータを調整して対応した。
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今後の研究の推進方策 |
格子ボルツマン法や間隙ネットワークに関しては引き続きモデルの改良を加えつつシミュレーションを行っていく。 3Dプリンタによる多孔質媒体モデルを用いた浸入実験では,Ca数やRe数を系統的に変化させた実験を行っていく。
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