研究課題/領域番号 |
23K20294
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補助金の研究課題番号 |
20H03115 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
関谷 信人 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (80456590)
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研究分担者 |
渡辺 晋生 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10335151)
近藤 誠 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50432175)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 根系 / 飼料イネ / 土壌養分 / 水田 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、土壌養分を収奪し持続的イネ生産を阻害すると批判される飼料イネが、実は根系によって土壌養分を良好な状態に維持することで、イネ生産の持続性に大きく貢献するのではないかという逆説を検証する。具体的には以下の2課題に取り組む。 研究①飼料イネを連続栽培し、根系によるイネ収量の経年変化を明らかにする。 研究②根系が土壌養分状態を改変する実態を多検体の実測と数値モデルで解明する。
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研究実績の概要 |
コメの供給過剰を回避しつつ、水田を維持するために飼料イネの栽培が増加している。本研究では、土壌養分を収奪し持続的イネ生産を阻害すると批判される飼料イネが、実は根系によって土壌養分を良好な状態に維持することで、イネ生産の持続性に大きく貢献するのではないかという逆説を検証する。 三重大学の水田圃場に穂が小さい飼料イネ品種、対照品種として穂が大きい飼料イネ品種と食用イネ品種を栽培し、植物がない場合の土壌養分の変化を確認するため無植栽区も設けた。成熟期に飼料生産を模して地上部全量を刈取った。ただし食用イネ品種では、通常栽培を模して地上部を細断し土壌へ還元した。刈取り後、全品種の根を除去する区と無処理区を設けた。平成30年度~令和5年度まで栽培を繰り返した。 水稲出穂後に穂、葉身、茎、根に蓄積したNSC(デンプンと全糖)含量と窒素含量を連続的に計測した。その結果、穂が小さい飼料イネ品種の根で特異的にNSCと窒素が多量に蓄積し、穂の小さい飼料イネの栽培が水田の地力維持に貢献する可能性を示した(審査中Major revision)。 土壌養分動態モデルを検討する過程では、土壌採取、土壌養分測定、パラメータ推定、モデル検証を繰り返す必要がある。実験田の小区画から繰り返し土壌を採取すると、小区画が攪乱されて各処理の効果が消失してしまう懸念がある。そこで、実験田とは別にモデル検証田を用意し食用イネ品種を栽培した。生育期間中、気温、日射量、降水量、湿度、地温、表面水位、土壌含水量、土壌水圧力、土壌中無機態窒素含量、水稲窒素吸収量を計測した。令和4年度には一次分解反応に基づいて水田土壌中の窒素無機化モデルを構築し、令和5年度にはモデルの精度を検証した(投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究助成期間の前半では、コロナ禍で非常に苦労したものの、何とか実験田を立ち上げ、その後も維持管理を継続できた。植物体の成分分析に基づいた原著論文がField Crops Research誌(IF5.8、農学系89誌中8位)にてMajor revisionと評価され、2024年4月25日現在、改定原稿が再審査を受けている。また、水田土壌中窒素無機化モデルを確立し、その成果に基づいた原著論文も投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度も引き続き実験田とモデル検証田を維持し、両田から得られるデータの公表に努めていく。
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