研究課題/領域番号 |
23K20300
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補助金の研究課題番号 |
20H03201 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
江原 晴彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (80634766)
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研究分担者 |
鯨井 智也 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (70823566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 転写 / クロマチン / Cryo-EM / 構造生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含む真核生物のDNAは、クロマチンと呼ばれる固く折りたたまれた構造をとることで、小さな細胞の中に格納されている。一方で、DNA上の遺伝子から情報を読み取る際には、巻き取られたDNAを緩めたり、また格納したり、といった作業が必要になる。そのような作業は、RNAポリメラーゼという酵素と様々な転写伸長因子が結合して作られる、タンパク質複合体によって行われている。本研究は、そのようなタンパク質複合体を試験管の中で再現し、それが、どのようにクロマチンDNAに対して働くのかを、クライオ電子顕微鏡法などを用いて分子レベルで解明することを、その目的とするものである。
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研究実績の概要 |
ヒトを始めとする真核生物のゲノムDNAは、クロマチンと呼ばれる高次構造をとる。クロマチンの最小単位は、ヌクレオソームと呼ばれる円盤状の構造である。安定なクロマチン構造の存在は、正常な遺伝子発現制御のために欠かせないものであり、その破綻は、ガンなどの多様な疾患の原因となることが知られている。その一方、ゲノムDNAに書き込まれた情報が機能する際には、転写というプロセスが必要であり、RNAポリメラーゼ(RNAP)という酵素がDNAの情報を読み取る必要がある。しかしながら、その際には、RNAPがヌクレオソームにぶつかることになるため、転写の過程においてクロマチン構造を大きく破壊することなく、DNAの情報を読み取ることができるのがなぜなのか、その分子メカニズムは、大きな謎であった。
2022年度は、前年度までに確立した、試料調製系や、クライオ電顕による構造解析系を活用することで、転写中にRNAP前方でヌクレオソームが破壊されていく状態や、RNAP後方でヌクレオソームが再び再構成されていく状態について、複数の分子構造を明らかにすることができた。また、転写の際には、RNAPのみならず、転写伸長因子やヒストンシャペロンと呼ばれる、様々なタンパク質が機能することが知られているが、それらが働く姿も捉えることができた。これらの結果は、転写中に、転写に伴ってヌクレオソームが再構築されるという現象を観察した、世界で初めての成果であり、Science誌に報告することができた。本研究は、「どうして転写が起きてもヌクレオソームが壊れないのか」、という大きな疑問に対して、一つ重要な回答を与えるものであり、大きな反響が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画より、一年以上早く、目的の構造解析に成功している。さらに、様々な状態を取った複数の構造を取得できている。
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今後の研究の推進方策 |
転写と共役したヌクレオソーム再構築の分子メカニズムの解明、という観点からは、一つの大きなマイルストーンを達成できたものと考えている。一方で、個々の転写因子の役割等については多くの不明点が残っており、解明のための研究を行いたい。また、いまだ構造解析に成功していない中間状態の構造や、既存の構造の品質改善も進めていきたい。
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