研究課題/領域番号 |
23K20304
|
補助金の研究課題番号 |
20H03311 (2020-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
本村 浩之 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 教授 (90433086)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
|
キーワード | 魚類 / 生物地理 / 分類 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
旧北区と東洋区の2つの生物地理区の境界線はトカラ海峡に位置し、この分布の境界線は渡瀬線とよばれている。これまで海洋生物における生物地理境界線は、淡水生物や多くの陸上生物と同様に渡瀬線であると考えられていた。しかし、予備調査の結果、海洋生物(魚類)における同境界線は大隅諸島の屋久島と種子島の間に位置する可能性が高いことが明らかになってきた。本研究課題では、南九州から琉球列島にかけての黒潮流域を網羅的に調査し、黒潮源流のフィリピン北部の魚類相を基準データとして、標本に基づく強固な生物地理解析を行い、渡瀬線に代わる海洋生物における新たな境界線“大隅線”の有効性を実証する。
|
研究実績の概要 |
2022年度は甑島列島、薩摩半島の西岸と南岸、鹿児島湾、大隅半島の東岸、大隅諸島の黒島、竹島、硫黄島、屋久島、および種子島、トカラ列島の平島、中之島、臥蛇島、および宝島、奄美群島の奄美大島、加計呂麻島、喜界島、徳之島、および沖永良部島の魚類相調査を延べ100人で実施した。5000個体の魚類を採集し、各個体に固有の番号をつけ、博物館標本として登録するとともに、各個体の撮影、同定を行った。外部形態から同定が困難な個体については、DNA解析や内部形質を調べるためのX線写真に基づく正確な同定を行った。これらの調査成果を66本の論文にまとめ出版した。 上記論文の他に『錦江湾奥 干潟の生き物図鑑』(A5版、フルカラー、100頁)を出版し、現地の方々や小中学校や図書館などの公共機関に無料配布した。また、魚類学の基礎的知見の蓄積を目的とし,日本産魚類の分類や分布,生態などの自然史に関するあらゆる分野の論文を和文で掲載する査読付きオンラインジャーナル『ICHTHY - Natural History of Fishes of Japan』を昨年度創刊し、今年度も100論文を出版した。さらに、2022年度は12種を新種として発表、9種を日本初記録として報告し新しい標準和名を命名した。2020年に出版した『日本産魚類全種目録.これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』を毎日更新し、エクセルデータでHP上で公開している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが、南九州から琉球列島にかけてのフィールド調査は順調に進んでいるため、本研究課題を解決するためのデータの蓄積状況は良い。しかし、黒潮源流にあたるフィリピンや比較対象となるマレーシアなどにおける調査ができておらず、これらの実施が来年度の最優先課題である。
|
今後の研究の推進方策 |
南九州や琉球列島の調査に加え、フィリピンやマレーシアなどの海外調査を行う。また、これまでに本研究によって採集された同定が曖昧な個体や種については大規模な分子解析と国内外の博物館収蔵標本の比較検討によってより正しい種同定を試みる。
|