研究課題/領域番号 |
23K20308
|
補助金の研究課題番号 |
20H03340 (2020-2021)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2021) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平野 恭敬 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (40580121)
|
研究分担者 |
中川 れい子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 専門職研究員 (40469911)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
留保 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
|
キーワード | シナプス / ショウジョウバエ / プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
過去の研究の蓄積により、複雑な脳神経ネットワークの構造が紐解かれ、個々の神経の特異的役割が明らかになってきた。次世代の中心的問いの一つとなるは、特異的な役割を果たすために、さらにミクロの単位である個々のシナプスはどのようにシグナル分子を使い分けているか、である。本研究ではショウジョウバエをモデルとして、特定シナプスの生化学的特性を解析する手法を開発し、シナプス間におけるシグナル分子の使い分けを明らかにする。本研究を通して、神経ネットワークを構成する最小単位であるシナプスの違いを生化学的にとらえ、単一神経内のシナプス使い分けの新たな原理を発見し、提唱することを狙う。
|
研究実績の概要 |
過去の研究の蓄積により、複雑な脳神経ネットワークの構造が紐解かれ、個々の神経の特異的役割が明らかになってきた。次世代の中心的問いの一つとなるは、特異的な役割を果たすために、さらにミクロの単位である個々のシナプスはどのようにシグナル分子を使い分けているか、である。脳神経回路では、層構造に代表されるように局在化した投射領域(ここではコンパートメントと呼ぶ)が見られ、コンパートメント間にはシナプスの生化学的差異があることが予想される。しかしながらその解析法がないために、シナプス間のシグナル分子の使い分けについてほとんど知られていない。本研究では、ショウジョウバエのキノコ体神経をモデルとして、コンパートメント特異的なシナプスの生化学的特性を解析する手法を開発し、シナプス間におけるシグナル分子の使い分けを明らかにする。 本年度はキノコ体の特定コンパートメントに存在する前シナプス、後シナプスを単離するために必要なショウジョウバエ系統を複数確立し、各特性を免疫組織染色、免疫沈降法により条件検討を行った。シナプス間を標識するGRASP法を改変し、20以上のショウジョウバエ系統作成し、その中からGRASP効率がよく、免疫沈降の効率が良く、かつ非特異的な沈降の少ないものを選択した。さらにシナプス分画からの免疫沈降を行うための手法の最適化を行った。現在までに、コンパートメント特異的シナプスを単離するためのショウジョウバエ系統の選択を完了し、免疫沈降の最適化を終了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間内の予定として、初年度にマテリアルと方法の確立、次年度にプロテオミクス解析を網羅的に行い、特異的シナプス分子を単離、最終年度にシナプス分子の機能解明を考えていた。本年度にほぼ、マテリアルと方法の確立を終えたので、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
これらのマテリアルと方法を用い、コンパートメント特異的シナプスを回収し、プロテオミクス解析を実行する。プロテオミクス解析では解析タンパクの絶対量が重要となる。これまでに私は、キノコ体の核を単離する独自の方法を用い(Nature Communications, 2016)、約200匹のハエを用いればキノコ体のみの核内タンパクをLC-MS/MS解析で網羅的に解析することができることを確かめている(未発表)。本研究ではコンパートメントのプロテオミクス解析を行うが、同様のスケールで解析することができると見積もっている。問題点は、過去の研究ではコンパートメント間の差異を表現する分子は報告されておらず、既存のポジティブコントロールがない点である。私はキノコ体発現遺伝子を網羅的に解析する過程で、キノコ体の先端のコンパートメントにのみ局在するキネシンタンパクを発見している(未発表)。これを指標に解析の成功の可否を調べつつ、各コンパートメント特異的分子の同定を進める。
|