研究課題/領域番号 |
23K20317
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補助金の研究課題番号 |
20H03537 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80203602)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 癌 / ビタミンD / 生存解析 / p53 / 二重盲検ランダム化プラセボ比較試験 / ビタミンDサプリメント / 再発死亡予防 / ランダム化臨床試験 |
研究開始時の研究の概要 |
2022年1月より慈恵医大附属病院と国際医療福祉病院の多施設共同研究でアマテラス2試験(JK121-009 , , jRCTs031210460)を開始した。癌患者、特にp53陽性癌患者において術後2か月以内から試験終了までビタミンDサプリメント(2000 IU/day)を連日長期投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに振り分け、遅発性(投与開始から365日以降)の再発、あるいは全ての原因による死亡ハザード・リスクを比較し、ビタミンDサプリメント投与の有効性を検討する。また、有害事象(高カルシウム血症等)の発現率を群間で比較し、ビタミンDサプリメント投与の安全性についても検討する。
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研究実績の概要 |
本アマテラス2試験は「癌患者、特にp53陽性癌患者においてビタミンDサプリメント(2000 IU/day)を術後2か月以内に開始し試験終了まで連日長期投与する群と同様にプラセボを投与する群にランダムに振り分け、それぞれの群における遅発性(試験サプリメントの投与を開始してから365日以降)の再発、あるいは全ての原因による死亡ハザード・リスクを群間で比較し、ビタミンDサプリメント投与の有効性を検討する。アマテラス試験のデータや残血清を用いて以下の研究を実施し論文発表した。 ①国際共同研究により二重盲検ランダム化プラセボ比較試験に参加した10万人のデータをメタ解析し、ビタミンDサプリメントの連日内服により癌種に関係なく癌死亡率が12%減少していたことを明らかにした[1]。本メタ解析には我々の実施したアマテラス試験も含まれる。 ②p53癌抑制蛋白異常発現に対して免疫反応している消化管がん患者がビタミンDサプリメント2,000IUの連日内服した場合、プラセボ(偽薬)に比べて再発・死亡リスクが73%減少していたことを二重盲検ランダム化プラセボ比較試験の事後解析により明らかにした[2]。 ③血清DHA+EPA レベルが低い消化管がん患者がビタミンDサプリメント2,000IUの連日内服した場合、プラセボ(偽薬)に比べて再発・死亡リスクが57%減少していたことを二重盲検ランダム化プラセボ比較試験の事後解析により明らかにした[3]。 ④大腸癌患者において血清CD40Ligandが高レベルに絞ると、ビタミンDサプリメント2,000IUの連日内服した場合、プラセボ(偽薬)に比べて再発・死亡リスクが70%減少していたことを二重盲検ランダム化プラセボ比較試験の事後解析により明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本アマテラス2試験は、2021年11月特定臨床試験審査委員会の承認を得て、ビタミンDおよびプラセボの試験サプリメントを委託製造し、臨床試験用の保険に加入した。2022年1月から患者登録を開始した。現時点までに222名の登録があり、120名が2年目のフォローアップに入った。副作用、重大な問題は発生していない。当初月20例、年250例、2年間で500例の登録を見込んでいたが、実際の登録は222件であり半分未満に留まっている。しかし、2023年後半より20例に達する月もでてきてペースアップしつつある。病理組織免疫染色において、p53 陽性はおよそ50%に達しており、研究計画書で予想したよりその頻度は10%高い。そのため、目標症例数の1240人の登録を待たずして終了できる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
登録数の月間目標は20例であるが、2023年より2024年にかけて月によっては20例に達するようになってきた。このペースであれば2024年度から年間250例の登録を得られる可能性があり、2027年度で目標症例登録数の1240例に達する見込みである。プロトコル通り最後に登録した患者を3年間フォローするとすれば2030年度で研究を終了できる。
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