研究課題/領域番号 |
23K20321
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補助金の研究課題番号 |
20H03592 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 重明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (50276242)
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研究分担者 |
西野 一三 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 部長 (00332388)
大貫 優子 東海大学, 医学部, 准教授 (20384927)
北野 滋久 公益財団法人がん研究会, 有明病院 がん免疫治療開発部, 部長 (60402682)
中根 俊成 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70398022)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | PD-1ミオパチー / 横紋筋抗体 / Kv1.4 / PD-1ミオパチー / 免疫関連有害事象 / 抗横紋筋抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
PD-1ミオパチーの症例を蓄積し,筋症状,検査所見,治療と予後について解析を行う.また病理学的解析として筋病理では筋線維の壊死・再生の分布が集簇的に認められ,周囲にリンパ球浸潤が観察されることが明らかになっているが,免疫学的検討をさらにすすめていく. 疾患動物モデルは雌性SDラット(12週)に抗横紋筋抗体陽性の患者血清 1 mLを腹腔内投与する方法を試みたが動物モデルを樹立できなかった.リコンビナントKv1.4蛋白による筋炎動物モデルに変更し研究を進めている.
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研究実績の概要 |
Programmed cell death 1 (PD-1)経路を抑制する抗体薬であるニボルマブやペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害剤が登場し,本邦でも幅広いがんで適応が広がっている.がん患者の生存率が上昇し,革新的ながん免疫治療として注目を集めている.免疫チェックポイント阻害剤が広く使われるようになるにつれ,これまで経験しなかった免疫関連有害事象 (immune-related adverse events, irAE)が出現するようになった. 免疫チェックポイント阻害剤を使用する機会が増加しており,神経・筋に関連したirAEsは以前考えられていたよりも高頻度であることがわかってきた.重症筋無力症 (myasthenia gravis, MG) と炎症性筋疾患(筋炎)の特徴を有する筋疾患「PD-1ミオパチー」がirAEsの代表的な臨床像である.またPD-1ミオパチー以外のirAEsとして自己免疫性脳炎やギランバレー症候群などの多発神経根炎の臨床特徴,さらにLambert-Eato筋無力症候群や自律神経障害もirAEで発症することも明らかにした.また臨床腫瘍学会の「がん免疫療法ガイドライン」の改訂作業にも従事し,安全ながん免疫療法の実践に貢献している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PD-1ミオパチーの症例を蓄積し,筋症状,検査所見,治療と予後について解析を進めており,国内外からの報告と合わせ,その臨床像についてはほぼ確立されてきたといえる.また病理学的解析として筋病理では筋線維の壊死・再生の分布が集簇的に認められ,周囲にリンパ球浸潤が観察されるのが特徴的である. 疾患動物モデルは雌性SDラット(12週)に抗横紋筋抗体陽性の患者血清 1 mLを腹腔内投与する方法を試みたが動物モデルを樹立できなかった.リコンビナントKv1.4蛋白による筋炎動物モデルに変更し研究を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
抗原投与による能動免疫の疾患動物モデルとしてリコンビナントKv1.4蛋白による筋炎動物モデル作製を完成することが今年度の目標である.動物はマウスに変更し,明らかな神経症状は観察できていない.この点についてこれまでの同様の手法による筋炎モデルマウスでも,神経症状は観察されなかったが,病理学的には筋炎の所見を呈している.一方,能動免疫後に死亡するマウスの頻度が高く,心筋の炎症による心筋炎の可能性も推察している.現在,灌流固定を行い,全身の筋肉(心筋を含む)から凍結切片を作成し,筋における炎症の程度を評価している.筋の大小不同や壊死・再生線維もあり,何かしらの炎症の存在が示唆され,マウスのn数を増やして再現性を検討している.
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