研究課題/領域番号 |
23K20322
|
補助金の研究課題番号 |
20H03634 (2020-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
大澤 大輔 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 主任技術員 (90324681)
|
研究分担者 |
小林 亜利紗 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 主任研究員 (30773931)
小西 輝昭 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, グループリーダー (70443067)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
|
キーワード | マイクロビーム / 不活化断面積 / イオントラック構造 / ライブセルイメージング / FNTD |
研究開始時の研究の概要 |
重粒子線がん治療は有効ながん治療法としての地位を確立している。しかしながら、細胞致死の第一ターゲットである細胞核内のターゲットサイズ(不活化断面積)とその決定根拠については未だ理解されていない。我々が開発したマイクロビーム細胞照射装置SPICEの局所線量制御能力を利活用することでこれらを明らかにする。さらに、各種粒子線ブロードビームを細胞集団に照射し、ライブセルとイオントラックの同時イメージング技術により、DNA修復速度から損傷複雑性を定量し、イオントラック構造や致死との相関から、その決定根拠を実ビームで実証する。得られる成果は治療計画における新たな生物効果モデルの構築にも資すると期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究は、量研機構内の陽子線マイクロビーム細胞照射装置SPICE、並びに、重粒子線がん治療装置HIMACの中エネルギービームコース(MEXP)、 細胞培養施設を用いて5ヵ年の計画で進める。以下の2課題に取り組み、重粒子線イオントラック構造依存的な細胞致死効果を解明する。 1. マイクロビーム照射で細胞致死のターゲットサイズ(不活化断面積)とその決定根拠を明らかにする 2. ブロードビーム照射で生細胞のDNA修復速度から損傷複雑性を定量し、イオントラック構造、致死との相関から、その決定根拠を実証する。 今年度では、長年の使用に伴う経年劣化と思われるSPICE基幹部分の故障が発生しその修理を実施した。具体的には、オンライン顕微鏡システムのレンズスライダー駆動部(S軸)が故障したことにより、細胞蛍光画像の撮像、細胞位置座標の取得、細胞照準、照射の一連の動作が不能となった。また、オフライン顕微鏡システムにも顕微鏡システムのレンズ駆動部(Z軸)が故障したことにより、SPICE照射細胞の観察、撮像、画像解析等が不能となった。これらの修理を実施した一方で、SPICE制御ソフトウエアの更新にも着手し、新たな細胞照射モードを付加することで、細胞照射の時間短縮と高精度化を達成した。SPICEマイクロビーム中の散乱線の寄与を明らかにするため、PIPS荷電粒子検出器によるエネルギースペクトルの測定を開始した。アルファ線源を用いてその基本性能を確認しており、今後は検出器の位置決めやビーム強度の最適化を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により顕微鏡用部品、試薬等の納品が大幅に遅れたことでマシンタイムの日程調整に不具合が生じたため、また、SPICE基幹部分の故障並びその修理により本研究課題の進捗はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、SPICEマイクロビームの照射条件、並びに、コロニー形成法の細胞播種条件の最適化を行う。微小核形成率も取得する。
|