研究課題/領域番号 |
23K20342
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補助金の研究課題番号 |
20H03966 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
抱井 尚子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20348460)
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研究分担者 |
河村 洋子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00568719)
眞壁 幸子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40436184)
八田 太一 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 講師 (40598596)
高木 亜希子 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (50343629)
田島 千裕 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (60365062)
成田 慶一 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (60511912)
野崎 真奈美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70276658)
光永 悠彦 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70742295)
亀井 智子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80238443)
稲葉 光行 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80309096)
福田 美和子 目白大学, 看護学部, 教授 (80318873)
井上 真智子 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (80609090)
大河原 知嘉子 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (80632091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 看護研究教育 / 混合研究法 / 混合型研究 / eラーニング / 評価研究 / デルファイ調査 / インタビュー調査 / オンラインアンケート調査 / 国際調査 / ユーザビリティ調査 / ウェブアンケート調査 / MMR / 量的研究 / 質的研究 / フォーカスグループインタビュー / テキストマイニング / 看護教育 / 看護研究 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化や高齢化が進む中、疾病構造も変化し、医学や医療技術も目覚ましく進歩している。これに伴い、看護の現場で直面する課題は複雑化している。このような状況を踏まえ、看護研究では新しい研究手法の導入が求められている。その一例が、統計学を駆使した「量的研究」と調査対象者の生の声を聴く「質的研究」を組み合わせた「混合研究法」である。本研究は、看護研究者が混合研究法を学ぶための教育モデルを構築し、実践的なeラーニングを開発することを目的としている。開発されたeラーニングは、最終的にインターネット上に公開され、混合研究法を学修する看護研究者を支援する。
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研究実績の概要 |
4年目にあたる2023年度は、これまで国内外の看護学研究者から収集したデータの分析結果をもとに、混合研究法eラーニングシステムの開発に着手した。2020年度に日本の看護学研究者(大学院生を含む)を対象とした調査によって、混合研究法学修者が直面するハードルを特定した。この知見をもとに、2021年から2022年の2年間にわたり、混合研究法のエキスパートおよび当該研究アプローチの実践家である海外の看護学研究者に対し、当該研究アプローチのハードルの乗り越え方と教授法のあり方に関するデルファイ調査を実施した。これら一連の調査より得られたデータ分析の結果を踏まえ教育モデルを構築し、これに沿ってさまざまなレベルの学修ニーズに応え得るeラーニングコンテンツの作成を行った。 eラーニングシステムは目的別に7セクションに分かれており、それぞれのセクションには視聴時間が1本につき10~20分程度のコンテンツが約40本収められている。これらのコンテンツは研究代表者と分担者によって作成されているが、一部の動画については、日本混合研究法学会の会員や海外のエキスパートの協力を得て作成されている。混合研究法の初学者から、既に当該アプローチを用いて研究を実践している上級者まで、さまざまなレベルのユーザーが、自身の知識・経験に合わせて必要な内容について学べるよう、eラーニングは構成されている。eラーニングのセクションタイトルと、各セクションの具体的な内容は次のとおりである。「導入~看護学研究において混合研究法を使用する意義」、事始め~混合研究法の定義・歴史・パラダイム他」、「基礎編(守)~基本型デザイン」、「応用編(破)~応用型デザイン」、「重要ポイントの振り返り~基本型・応用型デザインの要点」、「発展編(離)~混合研究法の最新動向」、「海外のエキスパートより~海外のエキスパートによるミニ・レクチャー」。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の理由からプロジェクトは予定通りに進んでいるといえる。 まず、これまでの段階でeラーニングのコンテンツがほぼすべて出揃ったことが挙げられる。コンテンツは合計40ほどあり、現在も作成中の動画は1本のみである。そして、この1本も完成間近となっている。eラーニングの構成も、今回の科研プロジェクトにおいて実施した調査結果を反映したものとなっている。各動画は受講者の混合研究法に対する知識のレベルごとに7つのセクションに配置されており、どのセクションのどのコンテンツからも視聴を開始できるようになっている。動画の長さは10分から20分程度である。事始め、基礎編、応用編のセクションの動画には、理解度チェックのためのクイズが添えられており、受講者はコンテンツに対する自身の理解がどの程度かを確認できるようになっている。 次に、作成された動画(レクチャー部分と理解度チェックのクイズの内容)の確認作業が予定どおり進んでいる点が挙げられる。この作業には思いの外多くの時間を要しているが、公開前に徹底的に問題点を修正することは不可欠であると考える。作業工程としては、まず、作成された動画を研究代表者が確認し、必要であれば各作成者に修正してもらった。さらに、2024年3月中旬からは科研プロジェクトのメンバーと、メンバーのネットワークを利用して募ったモニター10名ほどに、動画を視聴した上で順次フィードバックを送ってもらっている。5月中旬までにはフィードバックがすべて集まる予定である。収集したフィードバックをもとに、文字の見やすさや、音の聴きやすさ、講師の説明のわかりやすさなどに必要な修正を加える予定である。 以上の理由により、作業自体は膨大であるものの、本プロジェクトは「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年3月より、本科研プロジェクトのメンバー全員および看護学領域のプロジェクトメンバーの所属先専任教員・助教や大学院生の協力を得て、コンテンツの構成、説明やクイズのわかり易さ等についてフィードバックを得て来ている。この作業を5月中旬まで続け、その後は収集したフィードバックに基づき動画の修正を行う。そして、夏季休暇中は多くの看護研究者が時間的余裕を持つと思われるため、この時期に合わせて本eラーニングシステムを試験的に公開する。この段階では限定的に日本混合研究法学会の会員と、2020年度に本研究プロジェクトのフォーカスグループインタビューに参加した看護研究者に対してeラーニングを公開し、学習目標の到達度、eラーニングの使いやすさやわかりやすさを評価して頂く。最終的に、2024年度末に向けて、全国の看護大学・大学院に対しeラーニングの案内通知を送り、インターネット上にeラーニングを正式公開する予定である。 eラーニングの公開に向けた準備作業と並行して、引き続き論文執筆・学会発表の準備を進める予定である。具体的には、本年7月に国際混合研究法学会ジャマイカ大会が開催されるので、そこでパネルディスカッションへの登壇と研究発表を行う予定である。さらに、11月に開催予定の日本混合研究法学会第10回年次大会では、海外からeラーニングを用いた混合研究法教育を専門とする研究者を招聘し、講演をお願いする予定である。さらに、学会企画としてeラーニング完成記念イベントを開催し、2020年から始まった本科研プロジェクトの振り返りと成果の公表を行う予定である。
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