研究課題/領域番号 |
23K20345
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補助金の研究課題番号 |
20H03978 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
荻田 美穂子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00455031)
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研究分担者 |
鵜飼 征子 滋賀医科大学, 医学部, 看護師長 (10964132)
山口 未久 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20771132)
片寄 亮 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20825963)
金丸 恭子 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (40908290)
漆谷 真 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60332326)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
中島 千春 滋賀医科大学, 医学部, 看護師 (30882857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 呼吸管理 / 進行抑制 / 低酸素状態 / ALS |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)に対して、非侵襲的陽圧換気の早期導入が進行抑制効果を示すことが近年報告されている。しかし、ALS患者では呼吸苦の自覚以前に呼吸筋の麻痺に伴う呼吸機能低下が生じ、慢性的かつ比較的軽度の低酸素状態がALSの進行に関与している可能性がある。さらに、呼吸機能評価は呼吸苦が生じてから実施されることが多く、機能評価がなされていないが故の非侵襲的陽圧換気導入遅延が生じている。したがって本研究では、 ALS患者の潜在的低酸素状態に着眼し、ALS進行抑制を目的としたALS患者の在宅呼吸管理プログラムの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
令和4~5年度では、ALS在宅療養者の非侵襲的人工換気療法導入の実態及び非侵襲的人工換気療法に対するイメージの実態を明らかにした。近畿2府3県1政令市において、特定医療費受給者証を所有するALS在宅療養者577名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。自治体別に調査票を配布し回収率25.0~44.2%であった。193名の調査協力者のデータを用いてデータベース構築及び解析を行った。平均年齢は68.4±10.5歳、平均罹病期間は60.1±73.1か月であった。平均ALSFRS-R点数は21.9±14.2点であった。NIV導入者は約3割で、非高齢者、早い進行度、高い重症度ほどNIVを導入する傾向にあった。NIVに対して持つイメージは多い順に「呼吸が楽になる」50.3%、「この後の治療は気管切開や気管切開による人工呼吸器である」22.0%、「活動が制限される・これまでの生活ができない」20.1%であった。また、「イメージが湧かない」と回答した人は29.6%であった。さらに、イメージが湧かないことに関連する要因は、ALSFRS-R点数(オッズ比:[95%信頼区間])1.05:[1.01-1.09]、「NIVに関する医師からの説明を受けたことがない」7.17[2.48-20.72]、「呼吸機能検査の経験がない」3.68[1.26-10.73]であった。ALSの進行に伴う呼吸器症状の出現や重度化による疾患的要因、NIVに関するICや呼吸機能検査を受けているといった医療的要因によって、NIVで生じ得る身体への影響や生活変化をイメージする機会につながると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は令和2年度からの継続研究である。新型コロナウイルス感染症の蔓延により、自治体や病院での調査の延期が必要となり、研究計画全体が半年から1年遅れで進行している。令和4年度予算については延長申請を行なったが、その後は延長申請通り予算執行した。
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今後の研究の推進方策 |
病院に通院もしくは入院するALS患者を対象に、日中および夜間の体内酸素動態がALS進行および生命予後に影響するかを検討していく。また、ALS患者の各生活動作と動作前後の酸素飽和度との関連を明らかにし、低酸素状態を来す動作や介助を同定し、呼吸機能への負担軽減を考慮した看護援助を提示する。 今年度に引き続き近畿圏内の在宅療養中のALS患者調査を行い、症例数を増やし、在宅ALS患者のNPPV導入を阻害している医原性および患者側要因を抽出し、医療上の課題を明らかにしていく。
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