研究課題/領域番号 |
23K20347
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補助金の研究課題番号 |
20H03990 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
溝部 昌子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (00625684)
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研究分担者 |
重松 邦広 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (20215966)
金子 由里 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助手 (50836137)
吉原 悦子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (60309995)
岩倉 真由美 令和健康科学大学, 看護学部, 講師 (70743748)
宮田 哲郎 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (70190791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 深部静脈血栓症 / 血管看護 / POCUS / 現場即時検査 / DVT / 看護エコー / ハンディエコー / 携帯型超音波診断装置 / PE / 肺塞栓症 / 間歇的空気圧迫法 / 弾性ストッキング / エコー検査 / 肺塞栓 / 超音波診断法 |
研究開始時の研究の概要 |
深部静脈血栓症のリスク要因、発生部位、患者特性、患者の生活場所などの基本的事項を踏まえて、周術期患者、医療機関や施設の入院患者・入所者に対し、適正なリスクチェックを実施することと、効果的な予防策が実行されることにより、有害事象の発生が阻止されることが最終目標である。これまでの予防策の限界に対して、POCUSの活用は、予防策の効果や血栓形成予防を無侵襲に観察できる最も効果的な方法と考えられ、そのエビデンスを示し、下腿圧迫や下肢運動による静脈灌流効果、POCUSによる大腿静脈、大腿深静脈、ひらめ筋静脈洞の観察を看護計画の項目として追加することが研究成果として期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度は、第43回日本静脈学会における深部静脈血栓症予防のための看護に関するシンポジウム、第13回日本看護評価学会における患者安全の観点からの看護エコーの活用に関するシンポジウム、第5回日本フットケア学会九州山口・地方会における血管看護におけるEBPについての企画、演者の依頼、講演を行い、看護師を対象とした啓発活動を行った。また、市民を対象とした健康講座においても、足の傷害を広く啓蒙し、中でも、身体の血管について、その構造や機能・障害を解説した。 協力医療施設において、血管障害患者の看護を包括的に学ぶための臨床研修プログラムを試行的に実施し、血管看護学の体系化のプロトタイプを作成した。また、上記の関連学会はすべて対面で現地開催され、血管看護領域でこれまで技術的な交流を行ってきた人々と議論する中で、血管看護に関する継続教育コース設立を着想するに至った。自身が主催する日本血管看護研究会において、18名の委員からなる血管看護研修コース運営委員会を設置し、2024年より講義、特別講演、ハンズオンセミナーからなる研修コース開講の準備にあたった。 また、血管障害患者に対するケア技術の一つとして、タクティールケアを修得し、教育・普及にもあたった。タクティールケアについても研修コースで体験会を企画し、血管外科医並びに看護師に紹介する予定である。 携帯型超音波診断装置の購入により、研究者自身が機器に触れる機会が増え、その利便性を看護師に伝えることがより効果的に行えるようになった。また、看護師、看護学生、市民に対する教育において、動静脈の走行と名前を知ることが血管看護の扉になり、加えて、静脈マッピングという手法が、看護エコーのトレーニングに有効であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は深部静脈血栓症予防に、携帯型超音波診断装置を用いることにのみ焦点を当てていたが、深部静脈血栓症のリスク評価、予防策、看護ケアは、現時点でEBPが定まっていない点が多く、施設により取り組みに差があることから、機器が手軽に使える状況にあっても、看護師の関与を規定することが困難である実態がわかった。このため、看護におけるエコーの活用可能性や、深部静脈血栓症そのものへの理解を深めるための取り組みにこれまでは注力することとなった。 POCUS-DVTの実証的研究の着手に至ってはいないが、看護師のトレーニングプログラムは、DVTだけでなく、看護エコーとしての症状観察を前提として、間口を広く、敷居を低くするイメージで、包括的で汎用性の高いものを準備している。2023年血管障害患者の看護を学ぶための臨床研修プログラムを協力医療施設において作成・試行したことは、血管看護学の体系化のプロトタイプとなると考える。
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今後の研究の推進方策 |
看護師のためのPOCUS-DVT教育プログラムの開発と実施及び評価を行う。評価は、DVT予防を効果の指標とするのではなく、看護師の看護エコーの技術修得、深部静脈血栓症の理解と予防への取り組みについて、量的・質的に示す。 自身が主催する日本血管看護研究会を通じて、血管看護についての包括的継続教育プログラムを開発し、研究協力者と共にその充実を図り、血管看護学の体系化を目指す。それは、POCUS-DVTトレーニングプログラムを提供する基盤となり、看護エコーの普及と実証的研究を包括的かつ継続的に進めていく仕組みを築くことにつながる見込みである。
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