研究課題/領域番号 |
23K20369
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補助金の研究課題番号 |
20H04090 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木島 章文 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10389083)
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研究分担者 |
山本 裕二 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30191456)
横山 慶子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
島 弘幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
郷 健太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50282009)
奥村 基生 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 個人間協応 / 身体動作の同期 / 仮想空間 / 対称性 / 知覚運動制御 / 対人協応行動 / 知覚-運動協応 / 群と対称性 / 対人協応行為 / 跳躍動作 / 体育 / 知覚運動行動 / 仮想現実空間 / 群論 |
研究開始時の研究の概要 |
環境の幾何学的対称性と行為者の行動特性の対称性との相互作用が行為連携の秩序を決める.この仮説のもとに身体的社会性の教育システムを仮想空間上に構築する.所与の環境条件において対人協応に著しく困難を示す者・児をシステム上で動作するエージェントと協応させることで,自らがおかれた物理環境で相手を思いやって動く身体機能を育みたい.
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研究実績の概要 |
豪州との打ち合わせを介して以下の2点の進捗を得た. 1)子どものtriadic jumpingに関する論文構想について実験結果の理論的解釈に共通理解を得た.actorの個数と場所の個数が同数である場合には,双方の対称性の共通部分群としてtriadic jumpingの秩序が現れるわけではなく,むしろ場の幾何学的対称性(D_3)が実験で設定したactorの対称性(I)の位数を上げるように作用した.一方で場所の個数がactorの個数を上回る場合にはtraidic jumpingの秩序が想定した理論値と一致した.このことはactor-geometry configurationがasymmetricとなってactor集団に空間自由度が与えられる場合においてのみ,場の対称性とactorの対称性との共通部分群のうち最高位の変換群に基づく集合動作が創発することを示している.この結論を受けて現在,三者に対して4つ(以上)の場所を与える空間デザインを仮想空間の基本デザインとしている. 2)5月の打ち合わせを経て,van del pol振動子を模して仮想空間内のエージェントを設計している.さらに続いて令和5年度中に行った予備実験からエージェント間の同期を創発させるために必要な時空間的秩序を解明する手がかりを得た.具体的には,膝屈曲を介した反動動作において,重心の下降速度が負方向に最大になる点より後でかつ重心が最下点に到達するより前の区間でヒトとエージェントが視覚を介して動作を同期させると,その後のエージェントの急激な方向転換に対してヒトが超短潜時(<100ms)できることを確かめた.この区間動作をヒトが人工エージェントと積極的に同期させることで,その後の跳躍動作を周囲と時空間的に同期させられる可能性がある.以降,その同期を誘発させる仮想空間環境を構築するように作業を進めることで同意を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子どものtriadic jumpingに関する論文は大方執筆を完了しており,現在投稿準備段階である.ここで得られた理論的見通しに基づいてエージェントの設計を進めたが,主にMacquarie大学と山梨大学工学部との連携によって年内には試験運用可能と考えている.感染拡大状況下で数年以上の遅れをとったが,2023年度の活動を通して,その遅れを大幅に補填することができた.
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今後の研究の推進方策 |
子どもを用いたtriadic jumpingの理論研究の公刊と2024年度中のシステム構築の完了が最優先課題である.小学校や幼稚園等におけるシステム適用については,すでに実空間課題を介して研究代表者自らが子どもと遊ぶ機会を得ており,かなりの好感触を得ている.さらにこの活動を介して,子どもだけでなく親の課題参加によって身体的社会性の育成が促進できる見通しを得ている.また2024年度中にシステム構築を完了し,研究期間の延長も視野に入れ,教育効果を確認するまで到達したいと考えている.
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