研究課題/領域番号 |
23K20383
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補助金の研究課題番号 |
20H04227 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 (2024) 京都大学 (2020-2023) |
研究代表者 |
遠藤 孝浩 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70432185)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 触力覚 / 触感覚向上 / 確率共鳴 / 技能訓練 / バーチャルリアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
触診手技をはじめ、手指を動かし対象を触ることでそれを知覚する能動触を行う技能は多い。ここで手指の触知覚能力の向上は、能動触の効果を大いに高める可能性がある。本研究の目的は、確率共鳴現象を応用し、能動触時における複数指先の触感覚向上機能を実現することである。そしてその触感覚向上機能を利用し、学習者が訓練支援用の触覚情報を感度良く得ることができるVR触診訓練システムを構築することである。
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研究実績の概要 |
触診手技をはじめ、手指を動かし対象を触ることでそれを知覚する能動触を行う技能は多い。ここで手指の触知覚能力を向上できれば、能動触の効果を大いに高める可能性がある。本研究の目的は、確率共鳴現象を応用し、能動触時における複数指先の触感覚向上機能を実現することである。そしてその触感覚向上機能を利用し、学習者が訓練支援用の触覚情報を感度良く得ることができるVR触診訓練システムを構築することである。本年度の研究実績としては、複数指先を用いたしこりの有無を高検出できる触感覚向上機能の実現を検討した。また、触感覚向上機能を有するVR触診訓練システムの実現に向けた、能動訓練法の検討を行った。 本研究における確率共鳴現象を用いた指先触知覚向上では、指先から離れたノイズ提示部に、機械的ノイズを与える。このノイズが指先における外部からの刺激に重畳し、その刺激を感度良く検知できる。一方、タスクによって指先で使用する機械受容器は異なり、タスクに寄与する機械受容器のみを活性化するノイズ帯域をもったノイズを用いることで、確率共鳴の効果が高められることを、これまで明らかにした。特に、しこりには様々な種類があり、複数指を用いて触診をする際、しこりによって指に発生する力やそれにより生じる振動の周波数は異なる。これまで研究開発してきた複数指先における能動触感覚向上機能と、特定のしこりを検知するのに寄与する受容器を選択的に活性化するノイズ帯域幅提示法を組み合わせ、複数指を用いたしこりの高検出化機能の可能性を検討した。また、昨年度まで研究開発してきた訓練支援用力情報を提示可能なVR触診訓練システムを用いた、訓練法の確立を目指した。特に、前述の指先触知覚向上機能を有しつつ、訓練支援用情報として、熟練者と初学者の動作の誤差を提示し、初学者が誤差を打ち消すように訓練する能動訓練を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、(1)複数指先における能動触感覚向上機能の構成法、(2)指先における2つの力の差(力の変化)に対する能動触感覚向上機能の構成法、(3)触感覚向上機能を有するVR触診訓練システムの検証について研究開発を行い、研究目的の達成を目指している。交付申請書における本年度の目標は、(2)に関しては、複数指先を用いたしこりの有無を高検出できる触感覚向上機能の実現を目標としていた。また(3)に関しては、能動訓練法の研究を行う計画であった。現在までの各項に対する進捗は、以下の通りである。 複数指先を用いたしこりの有無を高検出できる触感覚向上機能の実現に関しては、複数のしこりを指で触診した際に、指に生じる力の周波数を計測した。そして計測した力の周波数データから、その力の検知に特化したノイズ帯域幅の解明をおこなった。そして、これまで研究開発してきた複数指先における能動触感覚向上機能に対して、そのノイズ帯域をもった機械ノイズを用いることで、しこりの高検出化機能の可能性を検討した。さらに実験を通し、提案手法の有効性を示した。また能動訓練法に関しては、昨年度まで研究開発してきた訓練支援用力情報を提示可能なVR触診訓練システムを用い、前述の指先触知覚向上機能を有しつつ、訓練支援用情報として、熟練者と初学者の動作の誤差を提示し、初学者が誤差を打ち消すように訓練する能動訓練を検討した。このように、現在までの進捗状況は、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、触感覚向上機能を有するVR触診訓練システムの検証として、受動訓練法および能動訓練法に関するVR触診訓練法の検討を行う予定である。
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