研究課題/領域番号 |
23K20398
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補助金の研究課題番号 |
20H04409 (2020-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
今泉 裕美子 法政大学, 国際文化学部, 教授 (30266275)
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研究分担者 |
飯高 伸五 高知県立大学, 文化学部, 教授 (10612567)
崎浜 靖 沖縄国際大学, 経済学部, 教授 (80331180)
大串 潤児 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90324219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | ミクロネシア / 南洋群島 / 植民地・戦争経験 / Shared History / 地域交流 / 「南洋群島」経験 / 「南洋群島」認識 / Shared Hisotry / 世代間交流 / 歴史経験の継承 / 地域研究 / ミクロネシア・日本共同研究 / 共通教育教材 / ミクロネシア・日本関係史 / 歴史共通教材 / 歴史経験の記録化 / 植民地経験 / 地域社会 |
研究開始時の研究の概要 |
ミクロネシアと日本の交流を、歴史的な関係に根差した相互理解の下に行うため、両地域を中心に国際的・学際的な共同研究体制を築き、①両地域にて日本統治下「南洋群島」で生活した人々の経験(「南洋群島」経験)がいかに継承され、いかなる「南洋群島」認識を生んだかを比較、②「南洋群島」で生活した者同士の第二次世界大戦後の交流で、どのような「南洋群島」経験を持ち寄り、自らの「南洋群島」認識を問い直したかを考察、③両地域の大戦後の歴史、地域社会の特徴と関連づけて①②を分析、④若い世代が従来の交流を捉え返し継承、発展させるため共に学ぶ「南洋群島」経験・認識を考察し、共通資料・教材等の作成や共有方法の研究につなげる。
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研究実績の概要 |
「南洋群島」経験の継承を”Shared History”という概念を軸に考え、そのひとつの方法として「対話」を実施し、継承する/させる主体に、ミクロネシアと日本、各地域内の更に小さな地域、世代、ジェンダー、職業の相違を意識して内容、方法を検討した。我々自身が継承の実践者として聞取りやこれに基づく授業を行った。 主な実績は (1)神奈川高等学校社会科研究会主催「日本史サマーセミナー」(2022年8月20日):横浜翠嵐高校の生徒と神奈川県の社会科教員を対象に授業を行い、地域から考える「南洋群島」経験、「歴史総合」での学びの方法について意見を得た。(2)沖縄調査(2022年9月5日~8日):社会科教育で「南洋群島」経験の継承が行われづらい要因を、博物館・資料館展示の調査、県教育主事や学芸員との意見交換を通じて得た。生活により密着した単位として「字」に着目し、「南洋群島」経験の記録・継承に公民館が果たす役割を確認した。(3)ミクロネシアと沖縄の「南洋群島」経験をめぐる「対話」の実施:Northern Mariana Humanities Councilと共催し、沖縄のサイパン島帰還者の「南洋群島」経験を、サイパン島の「南洋群島」経験者や家族、ミクロネシア出身の研究者、学芸員と共有し、「対話」の方法や意義を探った(”Memories of Saipan under Japanese Rule, a Conversation with Kensei Kamiunten,”December 2, 2022,Joeten-Kiku Public Library)。(4)第五福竜丸展示館調査(2023年2月22日):非体験者が経験を語り継ぐことの課題を学芸員から学び、核被害経験をマーシャル諸島の被植民地化経験としての「南洋群島」経験との関係性から考える意義を確認し、本研究課題を深化させえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡対策が一部地域で緩和されてきたものの、各研究分担者やミクロネシアの研究協力者が、感染拡大下で研究・教育活動、生活面で受けた制約から生じる影響が、依然として研究計画を進めるうえで制約となったことによる。 また、本研究課題はミクロネシアと日本の研究者にとって初の試みでもあり、特に、ミクロネシアの側では日本における「南洋群島」経験に関する情報は著しく少なく、情報提供とこれに基づく丁寧な議論には予想した以上の時間やプロセスを要していることによるが、そのこと自体が本研究課題の「成果」ともいえる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ミクロネシア(旧南洋群島)の研究者、教育者などとの研究交流、(2)高知、沖縄、東京を中心に、その他の地域も含めて「南洋群島」経験や戦後ミクロネシアとの地域交流について情報の更新と分析、(3)(2)に基づき各地域とミクロネシアとの歴史に対するアプローチ、歴史認識、歴史経験の継承の特徴を明らかにすることを継続、(4)ミクロネシアと日本の「南洋群島」に関する史資料の収集、「南洋群島」時代を経験した方々の手記、「南洋群島」経験に関する地方の刊行物、報道、映像や音声など表象物を収集や分析、(5)研究分担者、研究協力者以外の研究者、教育者から、本課題に関する知見を得るために研究会かワークショップなどを独自に企画、あるいは関連する学会活動に企画を申請し、最終年度となる次年度にむけての準備を行う。
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