研究課題/領域番号 |
23K20401
|
補助金の研究課題番号 |
20H04421 (2020-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2020-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20611198)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | イスラーム金融 / イスラーム経済 / イスラーム経済学第一世代 / ポスト資本主義 / 歴史の中のイスラーム経済 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2010年代中頃から世界各地で始まっているイスラーム金融の新実践に着目し、その新実践が依拠しているイスラーム金融黎明期(1940~70年代)の規範理論がどのような形でその実践の中で復権しているのか、また、発展的に再構築されているのかを解明し、今の地球社会が直面している様々な課題に対処しうるオルタナティブ構想にイスラーム金融がどのように寄与しているかを考えるものである。
|
研究実績の概要 |
今年度は以下の2つの研究を実施した。 ①イスラーム金融の新実践の最新動向の実態調査 これまで収集した様々な資料やデータの整理・解析作業を行い、成果論文の執筆に取り組んだ。当該論文は「イスラーム経済とポスト資本主義――現代ワクフの再生が作り出す新しいモラル・エコノミー」(長岡慎介編『イスラームからつなぐ2 貨幣・所有・市場のモビリティ』東京大学出版会、2024年.)として来年度刊行される予定である。 ②イスラーム金融の初期規範理論の形成過程の全容解明 昨年度に引き続き、イスラーム金融の実践が立ち返るべき本来のあり方としてイスラーム法学者が注目している初期規範理論の全容を解明するために、初期規範理論の形成に貢献した代表的な学者の思想と行動に焦点を当て、その足跡と当時の政治社会経済的背景を辿ることで理論の形成過程を検討した。今年度はその理論的成果の一部を公表(「イスラーム金融哲学のエッセンス」国際通貨研究所編『イスラーム金融とは何か』小学館新書、103-124頁、2024年)するとともに、当初予定されていなかった中東アラブ地域における初期規範理論の形成過程についても検討を行い、その成果論考の執筆に取り組んだ。当該論考は「イスラーム金融」(末近浩太・松尾昌樹『中東を学ぶ人のために』世界思想社、2024年)として来年度刊行される予定である。また、東南アジア(マレーシア、インドネシア)における初期規範理論形成過程については、解析の過程でさらなる資料の補充の必要性が認められたため、現地にてそれぞれ資料収集を実施し追加的かつ補足的な解析を行った。 以上の成果も踏まえながら、本課題の共同研究者たちと国際会議(1st International Conference on Islamic and Halal Economic Studies (ICIHES 2023))を2023年11月にマレーシアで開催した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍による渡航制限がほぼなくなったため、現地に赴かないと入手することが困難な資料を現地にて収集することができたことで、これまで制約が大きかった解析作業を大きく前進させることができたとともに、より発展させることができた。また、当初予定されていなかった中東アラブ地域を対象とした研究も実施できた。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度として、これまでの研究成果の取りまとめを行い、日本語および英語による成果発信に努めていきたい。
|