研究課題/領域番号 |
23K20419
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補助金の研究課題番号 |
21H00471 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
小路口 聡 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (30216163)
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研究分担者 |
早坂 俊廣 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (10259963)
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
伊香賀 隆 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 特命研究員 (20722995)
尾崎 順一郎 立命館大学, 文学部, 准教授 (40757085)
播本 崇史 島根県立大学, 地域政策学部, 准教授 (40813572)
藤井 倫明 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40867454)
工藤 卓司 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (50895167)
吉田 公平 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (70036979)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 新安 / 新安理学先覚会言 / 陽明学 / 朱子学 / 考証学 / 講学 / 新安理学 / 程朱闕里 / 陽明後学 / 後学 / 海外交流 / 徽学 / 『新安理学先覚会言』 / 新安理学先覺會言 |
研究開始時の研究の概要 |
「程朱闕里」の地として、多くの思想家を輩出し、様々な思想資源を生み出した新安の地において繰り広げられた思想言説を通時的に分析し、土地に根付いた中国文化の豊饒性と独自性とを摘出することを通して、中国思想の特質を新たな視点から解明する。まず重点課題として、16世紀中期の新安の思想活動の実態を伝える『新安理学先覚会言』の精読に取り組む。同時に、各研究メンバーが各自の専門領域で共同研究の対象(陽明学)を、時代的(宋・元・清)、または、思想的(朱子学・考証学・反キリスト教)に拡充させた個別研究に従事することで、宋元明清期の新安理学の思想的特質を解明し、それを踏まえて中国近世思想の本質を考察する。
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研究実績の概要 |
本科研の研究課題「「新安理学」の脱構築―中国近世の程朱闕里における思想の変遷に関する通時的考察」は、主な研究方法として、文献読解と現地調査の2つの柱を基軸に遂行してゆく予定であった。ところが、2021年度のコロナウィルス感染症のパンデミックによって、21年度に引き続き、22年度も、研究対象地域である安徽省での実地調査、および、現地の研究者との研究交流が実施できなくなった。 また、メンバー全員での共同研究として、韓夢鵬輯『新安理学先覺會言』(民国安徽通志館伝抄本)の会読を行う研究会も、一堂に会しての対面開催ができなくなったため、昨年度同様、リモート会議用アプリのZoomを使用して、非対面で開催した。22年度は、オンラインで4回(2022年6月5日、9月11日、12月3日、2023年3月25日)開催した。毎回、担当者が作成した原典の訓読・現代日本語訳に、詳細な訳注を付したレジュメを、メンバー全員で吟味検討した上で、それを担当者が意見集約の上、訳注稿を作成する形式で行った。今回は、小路口と鶴成が担当した。その成果は、広く学会に提供するために、2023年3月25日刊行予定の学術雑誌『白山中国学』通巻29号に掲載した。あわせて、その抜き刷りを、国内の宋明学の研究者へ送付する予定である。 2023年度に入り、世界的に、コロナも収束の方向に向かいつつあり、中国への渡航も可能になってきたので、次年度からは、中国への現地調査を実施し、また、国内での研究会の方も、対面で実施することで、国内の分担研究者、および、海外の研究協力者たちとの交流を深め、さらなる研究の進展を図りたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題に取り組むにあたって、われわれは、文献研究と現地調査という2つの方法を基軸に遂行していく。文献研究の方は、コロナ禍での、感染リスクを考慮して、研究会は Zoomを使い、非対面で行ってきた。2022年度は、4回開催した。その研究成果も、学術雑誌に2本掲載することができた。今後も、逐次、学術雑誌に掲載してゆき、その成果を、学界に公表していきたい。こちらは比較的順調に進んでいる。一方で、中国の、当該研究対象地域(安徽省)への現地調査、および、現地の大学・研究機関との研究交流については、感染状況の悪化のため、中国渡航が適わず、昨年同様、今年度もまた中止を余儀なくされた。次年度を期して、現在、事前調査を行っているところである。なお、上記のZoom開催の研究会では、中国の共同研究者も参加していただくことで、間接的ながらも、関係継続のために研究交流を行ってきた。よって、全体として、 「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も、昨年度と同様、『新安理学先覺會言』をテキストとする研究会を、年間4回程度、開催する。感染状況も収束に向かいつつあるので、非対面のオンライン会議から、対面での研究会に切り替え、交流を密にしていきたい。あわせて、3年目に入るので、それぞれの専門領域を踏まえた研究発表を、研究会にあわせて、随時、行ってい きながら、「新安」地域の学術・思想の多面性・重層性を、通時的・共時的に明らかにしていきたい。また、中国へ渡航も可能となってきたので、安徽省の新安地区を中心とした現地 調査、および、安徽大学儒学研究中心など、現地の研究機関・研究者との研究交流を行いたい。
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