研究課題/領域番号 |
23K20422
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補助金の研究課題番号 |
21H00474 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
幅田 裕美 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (60290996)
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研究分担者 |
檜山 智美 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 研究員 (60781755)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | トカラ語 / ジャータカ / アヴァダーナ / クチャ美術 / クマーララータ / Bahubuddha-Avadana / Unmayadanti-Jataka / Visvantara-Jataka |
研究開始時の研究の概要 |
中央アジアのシルクロード北道のトゥルファンとその周辺地域の遺跡で発掘されたトカラ語文献は非常に貴重な文化遺産であるが、その解読には言語学および仏教学の協力が不可欠である。さらに、トカラ語仏教圏の文化を総合的に理解する為には、遺跡を美術史学の立場から研究することが必要となる。本研究では仏教学、美術史学、言語学の内外の研究者が学際的に協力して、トカラ語仏教文献のなかでもジャータカ・アヴァダーナと称されるジャンルに焦点を当て、この説話文献の伝承を総合的学際的に解明する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に作者がKumaralataであることが明らかとなったトカラ語のJataka/Avadanaコレクションの写本の研究に取り組み、コレクションの構成や特徴について分析した。同じ作者による説話文学作品Kalpanamanditikaはサンスクリット断片で伝わっているが、対応する内容の漢訳は『大荘厳論経』である。この両文献とトカラ語のJataka/Avadana写本とを比較し、共通する内容や特徴があることを明らかにした。 コロナ感染状況がある程度落ち着いてきたので、2022年9月にはベルリンで開催されたドイツ東洋学会(Deutscher Orientalisten Tag)に参加することができた。共同研究者のOlav Hackstein教授(ミュンヘン大学)と「Philological and linguistic remarks on the Tocharian Bahubuddha Avadana」というタイトルで発表した。 研究分担者の檜山智美は、前年度末に上梓したクチャの石窟寺院に関する著書Traces of the Sarvastivadins in the Buddhist Monasteries of Kuchaの成果に基づき、クチャの早期の説一切有部系石窟群と、後期の説一切有部系石窟群の壁画に反映された説話伝統の差異について、国内外の様々な学会等での発表を通して、中国学や仏教学、西域文献学等の研究者との議論を深めた。その結果、前期の石窟群と説一切有部の経部の教理、そして中央アジアの交通路の変化と、クチャの説話美術の変遷が関連付けられる可能性が浮き彫りとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トカラ語のJataka/Avadanaコレクションの写本の作者がKumaralataであることが昨年度に明らかになったため、この写本の研究に重心を変更したが、新たな発見もあり、順調に進展している。共同研究者とはオンラインを利用して定期的にミーテイングをし、議論を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後もオンラインを利用して研究ミーティングをし、コロナ感染状況がある程度落ち着いてきたので、相互に出張して議論を深めたい。 新たな写本の研究に重点を移したため、個別の説話研究に加えて、Kumaralataの説話集写本の分析を中心に進めたいと考えている。 分担者は、カラシャールやトルファン、敦煌などの西域北道の他のオアシスの説話美術の状況と、トカラ語アヴァダーナ文献に関する最新の研究成果を比較参照しつつ、この可能性を更に検証してゆきたい。
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