• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

音響解析を用いた金属製打楽器の変遷 -「うなり」の文化としての東洋音楽史-

研究課題

研究課題/領域番号 23K20432
補助金の研究課題番号 21H00485 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分01050:美学および芸術論関連
研究機関日本大学

研究代表者

塩川 博義  日本大学, 生産工学部, 教授 (50187324)

研究分担者 土田 義郎  金沢工業大学, 建築学部, 教授 (20227424)
梅田 英春  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (40316203)
福岡 正太  国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (70270494)
豊谷 純  日本大学, 生産工学部, 教授 (70459866)
中川 一人  日本大学, 生産工学部, 講師 (90523986)
柳沢 英輔  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (00637134)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
キーワードガムラン / ゴング / 風鈴 / 双盤 / 梵鐘 / 金属製打楽器 / ガムラン・ゴング・ルアン / 音響解析 / うなり / 鉦 / 周波数特性 / 音響シミュレーション / 音高 / 調律 / ベトナム中央高原に住む少数民族 / インドネシア・バリ島 / 銅鑼
研究開始時の研究の概要

本研究では、民族音楽学研究、音響工学研究、金属材料工学研究およびシミュレーション工学の新しい学際的視点から、楽器の音響解析、金属の成分分析、形状による振動解析、そして、様々な地域においての楽器演奏者、所有者、楽器製作者および調律師へのインタビューを通して、いままではっきりとわからなかった東アジアから東南アジアに分布する主に「うなり」を伴う金属製打楽器の製作方法および調律や楽器の変遷について明らかにする。
これは、金属製打楽器に対する伝統的文化財としての保存や新たな音楽の創作などに対しても影響を与える意義あるものである。

研究実績の概要

2023年5月に行われた日本サウンドスケープ協会2023年度春季研究発表会で風鈴の音に対する印象評価の因子分析結果と、有限要素法を用いて南部風鈴と明珍火箸風鈴の発音性状を音響解析した結果を発表した。この研究成果が南部風鈴を制作している工房に「科学が解いた風鈴の音色の秘密は【うなり】である」として引用された。
6月には「双盤の音響特性に関する研究」を日本大学生産工学部研究報告Aにまとめた。
9月には「こぶ付きゴング形状楽器の固有振動に与える残留応力の影響」を日本設計工学会の秋季研究発表講演会で、「風鈴の音色に関する研究 各種風鈴の音響特性と心理的評価の関係について」を日本音響学会秋季研究発表会で発表した。
2023年8月にインドネシア・バリ島へ行き、タバナン地域にある古いガムラン・ゴング・ルアンを1セット測定できた。
2024年1月にタイのバンコクに訪れて、3つの寺院にある8つのゴング(7つは鉄製、ひとつは黄銅製)を計測して、基本周波数を測定した。うちひとつは直径3mもある。3月にはカンボジアのシュムリアップへ訪れて、バンテアイ・チュマール寺院第一回廊外壁に描かれているゴングの浮彫を7か所発見した。また半鐘と竪琴の浮彫も一つずつ発見した。ここは、アンコール・トムのバイヨン寺院と同じジャヤヴァルマン7世が12世紀に建造した仏教寺院であり、ひとつはバイヨン寺院と同じようなゴングの浮彫であった。また、9世紀から10世紀に建造されたいくつかの寺院の浮彫を調査したが、ゴングのそれはなかった。やはり、ゴングの浮彫は11世紀から出現し始める可能性が高い。また、シュムリアップ市内の寺院、バンテアイ・チュマールの敷地内、そして、アンコール・ワットの敷地内にある寺院で、5つのゴング(4つは鉄製、ひとつは黄銅製)を計測して基本周波数を測定できた。1月にバンコクで測定したものとまとめる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は新たにタイのバンコクとカンボジアのシュムリアップにある寺院を訪れて、鉄製ゴングの測定をいくつか行うことができた。また、バンテアイ・チュマール寺院第一回廊外壁に描かれているゴングの浮彫を7か所発見することができたため。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、インドネシアやベトナム、カンボジアなどにある寺院や遺跡を訪れて、さらに金属製打楽器の調査や測定を行う予定である。
また双盤は、1.0尺の鉦鼓を新たに購入したので、成分分析を行い、そのデータを用いて、令和4年度製作した1.1尺および1.5尺の双盤を3Dスキャンしてモデリングを行い、音響シミュレーション解析を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 双盤の音響特性に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      塩川博義、中川一人
    • 雑誌名

      日本大学生産工学部研究報告A

      巻: 56巻1号 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 風鈴の話2023

    • 著者名/発表者名
      土田 義郎
    • 雑誌名

      青淵(渋沢栄一記念財団)

      巻: 892号 ページ: 26-28

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] ベトナム中央高原に住む少数民族が所有するゴングの金属成分分析2022

    • 著者名/発表者名
      塩川博義、中川一人、柳沢英輔
    • 雑誌名

      日本大学生産工学部研究報告A

      巻: 55 ページ: 19-22

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 東南アジア大陸部におけるゴングの音響解析2022

    • 著者名/発表者名
      塩川博義
    • 雑誌名

      筑紫女学園大学人間文化研究所年報

      巻: 33 ページ: 191-202

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 風鈴の音に対する印象評価の因子分析に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      高尾美穂、塩川博義
    • 学会等名
      日本サウンドスケープ協会2023年度春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 風鈴の発音性状に関する研究ー有限要素法による固有振動解析ー2023

    • 著者名/発表者名
      中澤宗太郎、塩川博義、豊谷純、中川一人
    • 学会等名
      日本サウンドスケープ協会2023年度春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] こぶ付きゴング形状楽器の固有振動に与える残留応力の影響2023

    • 著者名/発表者名
      中川一人、竹島正博、塩川博義
    • 学会等名
      日本設計工学2023年度秋季研究発表講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 風鈴の音色に関する研究 各種風鈴の音響特性と心理的評価の関係について2023

    • 著者名/発表者名
      土田義郎
    • 学会等名
      日本音響学会2023年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ベトナム中部高原におけるゴングの調律技術2023

    • 著者名/発表者名
      柳沢英輔
    • 学会等名
      東洋音楽学会第74回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 現代における風鈴の音印象に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      高尾美穂、塩川博義
    • 学会等名
      日本大学生産工学部第55回学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 風鈴の音色の分析 物理的特徴からの考察2022

    • 著者名/発表者名
      土田義郎、田中唯斗、溝口剛嗣
    • 学会等名
      日本サウンドスケープ協会2022年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 現代における風鈴の音印象に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      高尾美穂、塩川博義
    • 学会等名
      日本サウンドスケープ協会2022年度春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 梵鐘の音響特性に及ぼす形状および鋳造条件の影響2022

    • 著者名/発表者名
      中川一人、竹島正博、塩川博義
    • 学会等名
      日本設計工学会2022年度春季大会研究発表講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 風鈴の音響解析および音印象評価に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      塩川博義
    • 学会等名
      日本サウンドスケープ協会2021年度春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 音響解析を用いた金属製打楽器の変遷 -「うなり」の文化としての東洋音楽史-

    • URL

      http://home.h03.itscom.net/shio_lab/research5.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書 2022 実績報告書 2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi