研究課題/領域番号 |
23K20437
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補助金の研究課題番号 |
21H00492 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
荒井 経 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (60361739)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
武田 裕子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (60770154)
大竹 卓民 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (00712910)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 絵画技法 / 東アジア / 日本画 / 水墨画 / 彩色画 / 絵画 / 近現代 / 中国画 / 韓国画 / 琉球絵画 |
研究開始時の研究の概要 |
1945年以降の東アジアに並存することになった「日本画」「中国画」「(台湾の)中国画」「韓国画」「朝鮮画」は、戦後の新国家とともに歩んできたが、互いについての情報共有は乏しい。本研究は、東アジア各国、各地域への渡航調査を軸に、1945年から国際交流や留学が盛んになる1980年代までの隣国の社会状況ならびに社会における絵画表現の役割を明らかにしていくものである。その際の手法として、各国絵画が内包する「水墨画」と「彩色画」という2つの造形言語に着目し、政治と絵画の関係を明確にしていく。
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研究実績の概要 |
新型コロナ感染症蔓延防止対策によって、2021年度に計画していた渡航調査の一部を2022年度に繰り越した予算によって実施できた。海外渡航としては、韓国への渡航を実施し、ソウル市内に所在する国立現代美術館のソウル館ならびに徳寿宮館、イルミン美術館、サムソンリウム美術館、市立工芸博物館、市井のギャラリー等における展示観覧を通して韓国美術の現況をリサーチするとともに、ソウル大学校美術大学東洋画専攻、誠信女子大学校美術大学東洋画専攻を訪問して学生作品の動向を調査し、各大学の教授陣との情報交換、意見交換を行った。また、サムソンリウム美術館保存修復センター、国立現代美術館清州館の保存科学センター、大田市立李応魯美術館においては、バックヤードなどでの詳細な作品調査が実施できた。このほか、本研究に関連の深い韓国画家や韓国画教育者、韓国美術史家と多数の交流の機会をもち、渡航制限期間を補完する調査を遂行することができた。 また、海外渡航が困難な時期であったことに鑑みて、国内の主要な調査先である沖縄県を訪問し、琉球絵画から沖縄美術への転換について調査を行った。主な訪問先は、沖縄県立博物館・美術館、沖縄県立芸術大学日本画コース、平和祈念堂、宜野湾市立博物館等である。それらの訪問先において、特に本研究が主眼とする日本画について集中的な調査を行い、多数の情報を収集して解析、整理を行うことができた。 また、本科研代表者が招聘を受けた台北の国立台湾師範大学主催シンポジウムを機に、国立台湾師範大学の他、国立台湾藝術大学の教授陣とも面談し、台湾における中国画と日本画の現在地点についての意見交換を行うことができた。 その他、年間を通じて、東アジアの近現代絵画に関する文献資料の収集と解析を継続的に実施し、オンライン研究会を通して研究分担者や研究協力者と共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は未だ明文化されていない1945年以降の東アジア美術の調査と解析を目的としたものであり、海外渡航による関係機関の訪問調査や関係者からの聞き取り調査が必須であるが、新型コロナ感染症蔓延対策による海外渡航制限によって、当初計画の海外渡航の大部分が実施できていない。 一方で、オンラインツールを活用した研究会の実施を定着させることができ、対面では叶わない遠隔地の研究協力者と同時に情報交換することができている。また、国内における重点調査地域である沖縄県への訪問を含めた集中的な調査によって当該地域の戦後美術について大きな成果を挙げることができている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症蔓延防止対策による制限が緩和されている社会情勢を受けて、安全と合理性が確保できる地域から海外渡航調査を実施し、本研究の当初目的に対して充分な成果を目指す。 また、渡航制限下で開始したオンラインツールを活用した研究会の実績と成果に鑑みて、研究会の開催を継続発展させていく。 さらに、国内において研究代表者、研究分担者を中心とした対面式の研究集会を開催して、本研究の現状の確認を行い、研究全体の成果を目指す。
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