研究課題/領域番号 |
23K20441
|
補助金の研究課題番号 |
21H00500 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
|
研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
宮崎 千穂 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (20723802)
|
研究分担者 |
廣川 和花 専修大学, 文学部, 教授 (10513096)
脇村 孝平 大阪経済法科大学, 経済学部, 教授 (30230931)
畠山 禎 北里大学, 一般教育部, 教授 (60400438)
飯島 渉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70221744)
諫早 庸一 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任准教授 (90831397)
和崎 聖日 中部大学, 人文学部, 准教授 (10648794)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 風土病 / 疫病 / パンデミック / ユーラシア / 高緯度帯 / 流行病 / 帝国医療 / 伝統医療 / 在来知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ユーラシア高緯度地帯の風土病(地域特有の疾病)に焦点を合わせつつ、主に近代における〈帝国〉が試みた医療・公衆衛生の実態の解明を目指す。 ユーラシア高緯度帯は多様な自然地理的かつ歴史・文化的諸条件を有する広大な地域である。本研究では、その各地域における風土病とそれへの〈帝国医療〉的な対応、言語・文化・歴史の多様性に由来する研究の分断を乗り超えての比較で明らかになる各風土病とそれらへの対応の連関、さらに風土病のパンデミック化の問題の解明を試みる。そしてそれらを通し、従来、低緯度帯(熱帯)を対象としてきた帝国医療研究の対象をユーラシア高緯度帯に拡張し、疾病史・医学史研究の新地平を切り拓く。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、従来、主にイギリス帝国を中心としてその植民地である熱帯を対象として展開されてきた帝国医療研究の対象をユーラシアの高緯度帯に拡大し、同地帯の風土病、またそれを含む疾病の広域流行化をめぐる諸問題を解明することで、医学・医療の近代性を呈示することである。 2023年度は、2021・2022年度の調査・研究を継承しつつ、本研究の最終年である来年度の研究成果のまとめに向けて研究を発展させるべく、以下のことに取り組んだ。 代表・分担の各研究者は、自身の研究対象地域において、風土病、流行病、医療体制、医療・衛生対策、医学・衛生学等の各自の研究を進めるため、関係史資料の調査(文書館、図書館、フィールド)を実施した。さらに、共同研究としての成果を挙げるため、7月に京都にて合宿形式の研究会を実施し、各自が研究の進捗報告を行い議論を深めた。また、8月から9月にかけてキルギス及びウズベキスタンの文書館・図書館での文献調査とフィールド調査を実施し、個々の研究成果をまとまりある共同研究とするための議論の手がかりとなる多くの知見を得た。フィールド調査では、中央ユーラシアの自然環境についての理解を深め、帝国医療の解明につながる重要な手がかりを得た。12 月には、東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター主催「Death & Life Studies and Practical Ethics Lecture Series 004」(Paula A. Michaels氏による20世紀米ソの医学・医療交流についての講演)を共催し、ソ連医療に関して知見を広げる機会を持った。また、本年度は、加藤真生氏にも本研究に参加していただき、中国東北部の帝国医療についての議論も展開した。研究成果は、7月に本科研が主催した静岡文化芸術大学公開講座のほか各研究者による学会や著書・論文において公表されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者・研究分担者それぞれの国内・海外における文献調査及びフィールド調査が順調に進んでいる。また、代表者・分担者が共同で行ったキルギス及びウズベキスタンにおける文書館・図書館等での文献調査及びフィールド調査では、ユーラシアにおける疾病の動きやそれへの対応としての医療・衛生を考えるうえで極めて重要な議論に繋がる知見を得ることができ、学術上の大きな収穫を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度の2024年度は本研究の最終年度にあたり、共同研究としてのまとまった研究の成果を公表する予定である。本年度までに蓄積した学術上の知見をさらに深められるよう、2024年度も、可能な限り、研究代表者・研究分担者とも国内外において文献・フィールド調査を行うこととしたい。そして、ユーラシア各地で試みられた帝国医療の個別事例とともに、その全体像を示すことができるよう、研究代表者・研究分担者間で各自の研究の共有の場を設け、議論を深めてゆきたい。
|