研究課題/領域番号 |
23K20444
|
補助金の研究課題番号 |
21H00505 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
柴 佳世乃 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (60235562)
|
研究分担者 |
青木 静乃 (近藤静乃) 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (40425723)
薦田 治子 武蔵野音楽大学, 音楽学部, 教授 (00323858)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 仏教 / 音曲 / 復元 / 芸能 / 儀礼 / 中世 / 仏教儀礼 / 読経 / 唱導 / 読経道 / 中世文化 / 法華経 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、仏教儀礼の要をなし、同時代に芸道化が認められる〈読経〉と〈唱導〉に焦点をあてて、その音曲(曲節や音楽的特徴)の解明に挑む。古譜や口伝書に、現行の音曲を照合し分析する方法によって、現在は継承されていない〈読経音曲〉に実証的に迫り、復元実唱に結実させる。併せて、芸能や宗教・文芸の相互の関係の中で考究する。儀礼の内にとどまらず、諸芸能がいかに連動しているかが浮かび上がるだろう。生きた音声として現代に甦らせることが本研究の一つの眼目であるが、加えて、復元作業の過程も具に公にする。文字が曲節を伴った音声として唱えられることの意味や効果を、歴史的観点からも、今日的意味からも考究したい。
|
研究実績の概要 |
本研究では、仏教儀礼の音声・音曲の解明に向けて、大きく以下の3本の柱を立てて研究を推進している。 (1) 〈読経音曲〉の解明と復元実唱 (2) 〈唱導〉の音曲の解明と復元実唱 (3) 唱えられ、伝承された場の解明 2022年度は、研究代表者および分担者、研究協力者が10回にわたって研究会を開催して、上記(1)~(3)について検討を行った。東大寺の法会調査および練行衆僧侶への取材・資料調査、書写山圓教寺の法会調査および僧侶との打ち合わせを複数回行い、研究会における譜本の読解と併せて、研究を進めることができた。今年度も(1)読経音曲の分析を中心に資料解析と検討を重ねた。「読経音曲」の片鱗が残されていると考えられる東大寺修二会の読経の分析を進め、また、書写山圓教寺に関係する読経資料の解析を同時に行って、相互に見比べながら復元の構想を立てているところである。また、(2)唱導に関しては、『如意輪講式』の実唱に向けて、具体的作業と日程を定めることができた。さらに、平家(平家語り)を復元法要に組み込むことについても構想を固めた。 公にした研究成果は次の通りである。①柴佳世乃:講演「法会における〈声〉―読経と唱導」、2022年12月25日(日)、神奈川県立金沢文庫、特別展「法会への招待―「称名寺聖教・金沢文庫文書」から読み解く中世寺院の法会」の連続講座第5回として。本研究の成果を盛り込んで講演を行った。 ②薦田治子:公演「平家物語の世界その6:壇浦の悲劇―見るべきほどのことは見つ―」 2022年9月9日(金)於 紀尾井ホール、演奏:菊央雄司・田中奈央一・日吉章吾、解説:薦田治子、曲目:能登殿最期 内侍所都入 ③柴佳世乃:単著『仏教儀礼の音曲とことば―中世の〈声〉を聴く』の原稿をまとめ、令和5年度科研費研究成果公開促進費(学術出版)に応募、採択が決まった。本科研の成果をも盛り込んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はコロナ禍で実地調査が思うように叶わなかったが、2022年度は東大寺および書写山圓教寺に赴いての法会調査や僧侶との面談、実地調査、および資料調査を行った。また、オンラインおよび対面の研究会と打ち合わせを定期的に開催し、作業を進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究会を定期的に開催することに加え、東京文化財研究所への資料調査および各寺院への実地調査を、本年度はいっそう計画的に進めることによって、確実に研究を前進させる。東大寺・圓教寺との連携は、これまでの研究で推進することができたので、これを継続的に発展させる。 また、学会の大会・例会における研究発表やシンポジウムを行うことを具体的に検討している。これまでの成果を公にしつつ、準備の過程そのものや問題点をまとめて提示することを、読経音曲・如意輪講式それぞれに計画している。
|