研究課題/領域番号 |
23K20445
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補助金の研究課題番号 |
21H00506 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯倉 洋一 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (40176037)
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研究分担者 |
中尾 薫 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (30546247)
中村 覚 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80802743)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | デジタル文学地図 / 名所 / 歌枕 / 文学地理学 / データベース / 名所絵 / 紀行文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、WEBサイト上に多言語のデジタル文学地図を構築し、世界の日本文学・日本文化の研究者および学生の研究・教育の発展を促進し、国際的な社会貢献を果たそうとする。デジタル文学地図とは、WEB日本地図に歌枕や名所の地点を示し、そこに歌枕や名所の地理的・歴史的な概説と文学テクストを挙げ、テクストの原典画像にリンクを張って古典籍本文も確認できるツールである。デジタル文学地図を活用し、歌枕などの名所のイメージの生成と変容を研究するのみならず、日本の名所(歌枕)を入口として、日本の古典テクスト・名所画像にアクセスする仕組みを作り、日本古典文学・文化を学習する教育システムを開発する。
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研究実績の概要 |
〇デジタル文学地図のウェブサイト(https://literarymaps.nijl.ac.jp/)について、新規データの入力、入力内容のチェックをした。新規データは主として謡曲の用例である。今年度増加した名所の項目の地理的・歴史的概要を記した。英訳は、名所の地理歴史の概要およびテキストの英訳を進めている。またシステムについても改善を進めている。 〇代表者・研究分担者・海外共同研究者・RAが、デジタル文学地図開発過程での学際的議論をベースとし2023年8月ペルギーのゲントで行われたEAJSで「前近代日本文学における〈名所〉の喚起力」と題したパネル発表を行うなど、積極的に研究成果の発信を行った。 〇定例の打ち合わせを年10回開催し、作業状況をその都度確認し、システムの改善に関する議論とデータ入力方針の策定を行った。 〇2024年2月17日(土)、大阪大学において、国際研究集会「教育ツールとしての日本デジタル文学地図」を開催した。ユディット・アロカイ(海外共同研究員)が「デジタル文学地図プロジェクトの沿革」を、黄 夢鴿(RA)・中村覚(研究分担者)が「「日本のデジタル文学地図」の概要」を、中尾薫(研究分担者)が「日本のデジタル文学地図の活用 ―ハイデルベルク大学・大阪大学の合同授業報告― 」を発表した。ゲストに招いた加藤直志が「デジタル文学地図を高2「文学国語」で使ってみた」を、岡部誠が「デジタル文学地図の教育への利活用―歌枕〈白山〉を例に―」を、加藤十握 は「デジタル文学地図活用の可能性について考える」を、横山恵理が「デジタル文学地図を活用した情報科学部生むけ授業実践報告」を発表した。 〇昨年度に引き続き、デジタル文学地図を活用した国際的日本古典文学教育の実践として、大阪大学とハイデルベルク大学の間でオンラインによる共同授業を行った(1セメスター15回)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
EAJSのパネル発表では、予想以上の好評を得た。またコロナの影響でこれまで開催できていなかった対面による国際研究集会を、対面・オンラインのハイブリッドで実施することができた。本研究の目標のひとつである教育への活用について、きわめて充実した議論が行われ、参加者から非常に有益であったなどの好反応を得た。原則として毎月打ち合わせを行い、データ入力状況を共有していたため、ほぼ目標通り、研究を進めることが出来た。全体としては、当初の計画以上に進展したと言えると思う。
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今後の研究の推進方策 |
WEB[デジタル文学地図」の一層の充実と利便性の向上を図る。名所の項目を102項目とし、用例採取の対象として新たに『万葉集』『夫木和歌抄』および名所歌集(未定)を加える。デジタル文学地図を拡張し、研究のページを作成して載せる。 2024年度冬に、大阪大学で国際研究集会を行い、最終年度には、ハイデルベルク大学で国際研究集会を開催して、本研究の集大成としたい。研究成果報告は、WEBページで行うが、紙媒体での発信も考えている。
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