研究課題/領域番号 |
23K20448
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補助金の研究課題番号 |
21H00509 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
長谷部 剛 関西大学, 文学部, 教授 (50308152)
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研究分担者 |
遠藤 徹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10313280)
山寺 三知 國學院大學北海道短期大学部, その他部局等, 教授 (70352507)
山寺 美紀子 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (90601097)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 東アジア音楽 / 敦煌曲子詞 / 日本雅楽 / 敦煌琵琶譜 / 林謙三 / 古楽譜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、林謙三の東アジア音楽研究資料の整理・研究を主軸におき、「敦煌歌辞はいかなる音楽によって歌唱されたのか」・「その歌謡と音楽はどのように日本に伝来し定着したのか」という二つの問題に取り組むものである。
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研究実績の概要 |
林謙三東アジア音楽研究の再評価とアーカイブの構築、というテーマのもと、2023年8月と2024年3月の二回、林謙三旧邸にて資料調査を行い、これまで未確認であった貴重資料につき、整理と解読を進めた。 さらに[1]『博雅笛譜』、[2]正倉院楽器の調査・復元、[3]敦煌琵琶譜の解読、の三点に焦点を絞って、研究を進めた。[1]についてはデジタルアーカイブ化を遂行し、さらに、東洋音楽会大会に参加し、そこでの研究発表を聴講することによって、『博雅笛譜』にみられる唐楽の「基本旋律」について新たな知見を得ることができた。[2]については、2024年3月の調査で、正倉院楽器の実寸大模写図や設計図を詳しく閲覧し、それが1964年の著書『正倉院楽器の研究』に結実するまでの過程について考察を深めた。[3]については研究代表者が所属先研究所で研究発表を行った。また、[3]敦煌琵琶譜の解読に関連して、敦煌曲子詞『雲謡集雑曲子』の訳注稿を作成し、さらに中国語論文「敦煌歌辞与日本的関係」を発表した。それと同時に、敦煌歌辞と関係の深い、唐代楽府詩についても研究を進め、その結果を中国の学会(中国楽府学会)で口頭発表し、発表後に「敘事學視閾下的樂府詩建構」とのタイトルで論文化し、中国の学術雑誌に投稿し、掲載が決定した。唐代楽府詩については、その代表的作家(詩人)である李白の作品の読解を進め、李白楽府詩と教坊との関係について、研究の端緒をつかむことができた。 宋代の歌辞とその歌唱の際の楽譜が記された『白石道人歌曲』について、中国・香港の専門家を招き学術講演を依頼するとともに、『白石道人歌曲』研究をめぐる中国の専門家、夏承トウと林謙三との交渉についても実態調査を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「林謙三東アジア音楽研究の再評価とアーカイブの構築」では、資料調査と整理は着実に進んでいる。ただし、整理の結果を「林謙三東アジア音楽研究の再評価」にまで発展させるにはまだ及んでいない。また、デジタルアーカイブ化も進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、本研究課題のテーマである「林謙三東アジア音楽研究の再評価とアーカイブの構築」に即して、林謙三について、[1]東アジア音楽研究資料の整理・研究、[2]正倉院器の調査・復元の再評価、[3]敦煌琵琶譜の解読、をさらに発展させる。 そして、これを日本雅楽および、中国唐代音楽文學の二点を結びつけるべく、[4]『博雅笛譜』の復元・解読、[5]李白楽府詩と教坊との関係について、[6]白居易・元しん(禾[のぎへん]に眞)の楽府テキストに見られる唐代礼楽・楽制、など具体的な研究テーマを設定する。
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