研究課題/領域番号 |
23K20454
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補助金の研究課題番号 |
21H00515 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 淳生 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90283671)
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研究分担者 |
福田 裕大 近畿大学, 国際学部, 准教授 (10734072)
松浦 菜美子 関西学院大学, 文学部, 准教授 (10880247)
熊谷 謙介 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (20583438)
合田 陽祐 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (20726814)
野田 農 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (20907092)
藤野 志織 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40908844)
中野 知律 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (50237343)
村上 祐二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50636511)
久保 昭博 関西学院大学, 文学部, 教授 (60432324)
橋本 知子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (60625466)
岡本 夢子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (60899607)
中畑 寛之 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70362754)
坂巻 康司 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70534436)
中筋 朋 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (70749986)
足立 和彦 名城大学, 法学部, 教授 (80707456)
鳥山 定嗣 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80783117)
大出 敦 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (90365461)
山田 広昭 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40210471)
小倉 康寛 南山大学, 外国語学部, 講師 (90908451)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 象徴主義 / 自由詩 / モダニティ / メディア / 内的独白 / ポスト=ヒューマン / 第三共和政 / ギル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はフランス語表現の象徴主義運動について、研究が進んでいない一次資料(詩集等)の翻訳・註解といった地道な作業を行う一方で、理論・詩法・宗教・政治・経済・ジェンダー・メディアといった多彩な観点から象徴主義を再検討し、その歴史的な意義をあきらかにするとともに、それが現代を生きる私たちに何を指し示しているのかを考えることを目的としている。一次史料に関しては、ルネ・ギル『最良の生成』の翻訳・註解を完成させ、2024年度に刊行する予定である。同書はその重要性にもかかわらずフランスでも註解が存在しない難解な作品であるが、世界で初めて翻訳されることになった。
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研究実績の概要 |
令和5年度も京都大学人文科学研究所における象徴主義研究班と連動するかたちで、研究報告会と訳読会を計11回開催した。報告会では昨年度にひきつづき、メンバーがそれぞれの研究テーマについて発表し知見の共有に努めるとともに、成果論文集等のアウトプットに向けた準備を行った。具体的には、モレアス、バンヴィル、ユゴー、ヴァレリー、ロラン、ドビュッシー、リラダン、ローデンバックなどの作家・音楽家を考察の中心に据え、詩法・小説・音楽・メディアの観点から象徴主義を分析した。 あわせて、「人文研アカデミー」の枠内でシンポジウム「催眠とアンドロイド ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』をめぐるふたつの会話」を開催し、『未来のイヴ』を文学のみならず精神医学やロボットの哲学の観点から読み直し、社会還元に努めるとともに、人文研招聘のクローディ・ベルナールによる講演会も実施した。 訳読会では、前年度に終了したギルの詩集『最良の生成(Le meilleur devenir)』の翻訳・註解の原稿を『人文学報』に投稿し、初校の校正を終えている。同書はフランスでも註解がほとんど存在せず、翻訳されるのも(英訳等も含め)世界初の試みである。訳読会はその後、レニエの『古のロマネスク詩集』に移り、順調に翻訳・註解が進んでいる。企画している象徴主義に関する「読む事典」については「ヴァレリー」と「ギル」の項目を暫定的に完成させた。これを見本として、来年度以降各項目の執筆を加速化させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の成果として予定しているのは、1)成果論文集、2)象徴主義に関する読む事典、3)象徴派詩人の代表的詩集の翻訳と註解であるが、本年度も研究発表を積み重ねることによって1)成果論文集にむけて着実に準備することができた。2)の読む事典についても「ヴァレリー」と「ギル」の項を暫定的に完成させ、これを見本として外部執筆者への寄稿依頼を行うなど、完成への道筋がついてきた。3)についてはルネ・ギル『最良の生成』の翻訳と註解が令和6年度初頭に『人文学報』に掲載されることが決定している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度も基本的な枠組みは同じであるが、研究を加速化するため、研究報告会と訳読会の回数を増やし、計15回程度開催する。フランスの代表的な研究者(フランク・ジャヴレ、ジャン=ニコラ・イルーズ)の講演会も予定している。訳読会は当時の代表的詩人であったアンリ・ド・レニエの『古のロマネスク詩集』の翻訳と註解をひきつづき進めていき、ギルと同様、発表できる目処をつけるようにしたい。レニエの散文は比較的翻訳があるが、詩の受容はきわめて限定的であり、この作業によって日本における彼の詩の理解が進むことが期待される。「読む事典」については暫定的に完成させた「ヴァレリー」と「ギル」の項目を見本として、外部執筆者への寄稿依頼など具体的な執筆作業をさらに進めていく。
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