研究課題/領域番号 |
23K20458
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補助金の研究課題番号 |
21H00520 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
久冨木原 玲 愛知県立大学, 日本文化学部, 名誉教授 (10209413)
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研究分担者 |
福嶋 伸洋 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (00711847)
生田 慶穂 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (00846230)
前島 志保 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10535173)
白石 佳和 高岡法科大学, 法学部, 准教授 (10845001)
東 聖子 十文字学園女子大学, 女性学研究所, 客員研究員 (20060717)
ERBER PEDRO 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (40866208)
スエナガ エウニセ 愛知県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40908878)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 詩歌の本質 / ブラジル国際俳句の多様性 / 俳句とパフォーマンス・絵 / ブラジルにおける日本文化 / 連句と教育 / ブラジル / アマゾン / 日本語俳句 / ポルトガル語ハイカイ / 熱帯歳時記 / 増田恒河 / ブラジル人詩人アウメイダ / オリエンタリズム / 俳句とパフォーマンス / 熱帯季語 / ブラジル国際ハイク / ブラジルの日本語俳句 / 季語を持つポルトガル語ハイク / 日本人移民によるブラジル人との仲介行為 / ブラジル詩人による初期のハイクとの出会い / 具体詩(コンクリートポエム) / 日本韻文史 / パフォーマンス / 連歌・連句と教育 |
研究開始時の研究の概要 |
ブラジルには世界的に見て独特の俳句文化があり、4つの形態が認められる。第一は日本人移民による日本語俳句、第二はフランス経由のポル トガル語俳句、第三は、これらを融合した俳句、第四はラディカルなハイクのパフォーマンスである。 本研究は、こうした「ブラジル国際俳句の成立過程を明らかにし、その芸術性・独創性を考究」し、そこから「1300年にわたる日本韻文学を 照らし出」して国際俳句に新たな視座を切り拓く。
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研究実績の概要 |
ブラジルと日本あるいは両者をつなぐ多様な視点から、斬新な研究を展開した。それらは主に次の2つの実践を通じての成果である。 第1にはブラジル渡航を実施してサンパウロとアマゾン各地を現地調査して貴重な資料・証言を得たこと、第2にはリオ・デ・ジャネイロ州の大学で開催された第27回ブラジル・日本研究国際学会において、研究代表者・分担者5名が2グループ(サンパウロとアマゾン)を立ち上げて発表しコメンテータや通訳も務めたことである。アマゾン・グループではアマゾナス連邦大学から2名の教員・大学院生も研究協力者として参加し、その他の協力者2名も登壇し発表した。 発表テーマは以下の通り。①白石佳和「グレミオ・ハイカイ・イペー」選集『四季』の「秋」について」、②久冨木原玲「『アマゾン季寄せ』の特色と意義について」、③スエナガ エウニセはアマゾンで創られた、すべての句に墨絵のような絵が付された「アマゾナス州マナウス市発行のポルトガル語句集『百枚の花びらの菊』について」、④ペドロ・エルバーは「俳句と近代主義オリエンタリズム」と題してブラジルの俳句受容における理論的アプローチには日本の詩歌の歴史性や現代性が見落とされていたことに関して、それぞれ論じた。 上記国際学会以外の実績として⑤白石佳和「ブラジルの日系準二世の仲介活動」に関する発表があり、⑥前島志保は明治期から昭和初期における俳句や和歌などにかかわる合評記事には、同時期の婦人雑誌の様々な記事同様、人々の「声」を誌面に再現して「声」の文化と活字との間をつなぐ機能があることを指摘した(「論文」の項参照)。⑦ブラジルの研究協力者ホベルソン・デ・ソウザ・ヌネスが来日し、久冨木原と共にブラジル大使館でブラジルの俳句受容に関する講演を行った。ペドロはコメンテータ、スエナガは通訳を務めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は、研究代表者と共に分担者7名のうち4名の合計5名がブラジル渡航して、第27回ブラジル・日本研究国際学会(於リオデジャネイロ州フルミネンセ大学)に参加し、2つのシンポジウムを企画・実施した。1つは「サンパウロ・俳句・ハイカイ」、もう1つは「アマゾン・俳句・ハイカイ」関係であるが、いずれも日本語俳句とポルトガル語ハイカイの両方の視点からの発表であったこと、さらにアマゾン・ハイカイのシンポジウムは、おそらく本国際学会において初めての試みであった点で特筆されるであろう。 第2に研究代表者と分担者2名の計3名は、サンパウロ及びアマゾン川河口都市のベレン及びそこからアマゾンの密林200㎞奥地の日本人入植地へ入って、調査を行なった。これらの調査及び国際学会発表によって、貴重な情報及び資料を得ることができた。 第3として11月にブラジルの研究協力者・ホベルソン・デ・ソウザ・ヌネスが来日し、研究代表者の勤務先大学で講演し、さらにブラジル大使館において研究代表者と共にジョイント発表を行なったことも貴重な活動であった。 渡航前の調査におけるマネジメントに関しては分担者・白石佳和が、渡航後の調査・発表及びブラジル大使館における発表に関しては分担者スエナガ・エウニセのマネジメントと通訳活動が大きな成果をもたらしたことも特記される。(以上の成果は下記「論文」の項・参照)
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今後の研究の推進方策 |
例年通り、年3回の研究会での発表と質疑応答及びメンバーの情報共有を続けながら、各種研究会・学会における発表を経て、論文・研究ノートの成果を出す。同時に2025年9月にブラジル・アマゾナス連邦大学にて開催予定のブラジル・日本研究国際学会で研究発表をするための準備をする。具体的には23年度の調査を踏まえつつ、各自、次のように活動し、活字化する予定。 ①白石はポルトガル語ハイクに日本の伝統俳句の「季語」「5/7/5」の要件を付加した運動を継続する「グレミオ・ハイカイ・イペー」の最新の状況を検証し、紹介・分析する。②スエナガはブラジル詩人・ギリェルミ・ヂ・アウメイダにおける実作と影響を分析した成果に基づき「ブラジル・ポルトガル語ハイカイにおけるモダニスム的要素を論じる。③生田慶穂は、ブラジルで活躍した女性俳人・石川芳園の作品分析をする。④ホベルソンは、ブラジルにおける俳句と教育に関する論文をまとめる。⑤前島は、フランスなどヨーロッパにおける俳句の出版事情に関する業績を基にブラジルにおける俳句受容の位置づけを試みる。⑥ペドロは、ブラジルにおける俳句受容のオリエンタリズムの要素を明らかにする。⑦久冨木原は、本科研の核心部分をなす「ブラジル国際俳句の多様性とラディカルな展開」を1300年にわたる日本韻文史のありかたから照らし出すことを試みる。⑧福嶋伸洋は、ブラジルの小説の翻訳及び研究業績を基にブラジル文化全般に関する論考をなし、ブラジル俳句文化の背景を描写する。
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