研究課題/領域番号 |
23K20460
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補助金の研究課題番号 |
21H00523 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 真一 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10331034)
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研究分担者 |
松井 理直 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00273714)
岸本 秀樹 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10234220)
植田 尚樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (30911929)
澤田 治 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (40598083)
竹村 亜紀子 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (50597309)
竹安 大 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80585430)
ホワン ヒョンギョン 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80704858)
高橋 康徳 神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (90709320)
Poppe CP 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90803411)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | プロソディー / 疑問詞 / インターフェイス / 対照言語学 / 方言 / 方言音声 / イントネーション / アクセント / 言語類型論 / 疑問詞文 / 音響分析 / 音韻論 / 音声学 / 修辞疑問文 / 日本語諸方言 |
研究開始時の研究の概要 |
疑問詞を含む文の音調に異同の生じるメカニズムについて、東ユーラシアの異なる類型に属する諸言語(ベトナム・中国・韓国・モンゴル)、そして、日本語の異なるアクセント分類に属する諸方言(東京・名古屋・大阪・佐賀・鹿児島)を可能な限り統一した条件で対照し、知覚実験を交えながら実証的に解明する。 (A)言語理論分析、(B)音響・知覚・統計分析の班を配置し遂行した。もう一つの軸として(C) 東ユーラシア言語班、(D) 日本語諸方言班を、類型論・アクセント分布的に配置し、それぞれが研究を遂行した。さらに、(E)日本語を目標言語(L2)とする日本語学習者のプロソディーにも焦点を当て、研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
本研究は、疑問詞を含む文を音声学・言語学の各部門から詳細に検討し、これらのインターフェイスを通して、音調と言語構造との関係を総合的に解明する試みである。疑問詞疑問文を一方では真偽疑問文、他方では修辞疑問文と比較し、さらに疑問詞埋込文も対象としながら、音調に異同の生じるメカニズムを詳細に分析する。東ユーラシアの異なる類型に属する諸言語(ベトナム・中国・韓国・モンゴル)、そして、日本語の異なるアクセント分類に属する諸方言(東京・名古屋・大阪・佐賀・鹿児島)を可能な限り統一した条件で対照し、知覚実験を交えながら実証的に解明する。上記を通して、音調の研究の進んでいない言語・方言から新たな知見を得るとともに、対照言語学・類型論の領域においても貢献することを目的とする。 これらの目的を達成するため、(A)言語理論分析、(B)音響・知覚・統計分析の班を配置し、全員が研究を遂行した。さらに、もう一つの軸として、(C) 東ユーラシア言語班、(D) 日本語諸方言班を、それぞれ地理的連続性とともに類型論・アクセント分布的にバランスよく配置し、それぞれが研究を遂行した。さらに、(E)日本語を目標言語(L2)とする日本語学習者のプロソディーにも焦点を当て、研究を遂行した。 論文、研究発表、図書等、バランスよく、成果をあげることができた。また、本研究課題により、今年度は複数の研究イベントを開催した。オックスフォード大学との国際研究イベントを、神戸大学とオックスフォード大学でそれぞれ1回ずつ(計2回)開催した。また、日本音声学会主催の音声学セミナーを共催することにより、日本語プロソディーの重要な情報を得る機会を持った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、前年度と同様、各言語・方言話者を対象とした実地でのインフォーマント調査は難しかったが、その代わり、コーパス調査や文献整理など、上記に代わる方法により、各自の研究を推進できた。 論文、研究発表、図書など、国際的なものを含め、バランスよく積み上げ、一定の成果をあげることができた。また、本研究課題により、今年度は複数の研究イベントを開催した。オックスフォード大学との国際研究イベントを、神戸大学とオックスフォード大学でそれぞれ1回ずつ(計2回)開催した。また、日本音声学会主催の音声学セミナーを共催し、日本語プロソディーに関する知見を共有することができた。 これらの諸活動を通して、一定の成果を上げるとともに、プロジェクト後半への準備を進めることができた。上記を総合的に鑑み、本研究課題が概ね順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、各言語・方言において、疑問詞を含む文を中心としたプロソディーの調査分析を行う。それらの調査で得られたデータおよび分析結果を、言語間(日本語、韓国語、中国語、モンゴル語、英語、フランス語、イタリア語)および日本語方言間(東京方言、関西方言、名古屋方言、佐賀方言)のレベルで対照させることにより、疑問詞を含む文のプロソディーの異同関係を詳細に整理する。 2023年度は、とくに、修辞疑問文・埋め込み疑問文・文末要素有無に着目しながら、それらの文のプロソディー現象にも焦点を当てる。それと同時に、前年度から継続して、疑問詞を含む文の音調(リズム・アクセント・イントネーション)に関する調査・分析を行う。上記の文について、形態論・統語論・意味論・語用論の観点から検討し、音調との対応関係を整理するとともに、上記各言語・各方言のレベルにおいても対照し、言語類型論的考察を加える。 本課題開始時に当たる過去2年間は、世界的なコロナ禍により、本課題研究者が現地に赴いて十分なインフォーマント調査を実施することがほとんど不可能であったが、今年度は、各言語・方言話者のいる各地域で、質量ともにある程度まとまったインフォーマント調査を行う予定である。それぞれの調査による分析結果を集積し、比較・対照するために、今年度内に複数回、研究報告会を開催し、研究メンバー間の積極的な意見交換の機会を設ける。それらの活動を通して可能であれば共同研究を推進する。また、本課題のテーマに精通した研究者を招聘し、講演会を開催するとともに、研究内容に関する助言を得る。上記に基づく成果を、国内外の学会・研究会等で積極的に発表し、他の研究者と意見交換を行う。 本研究課題に関する研究イベントを開催し、メンバーによる成果発表を行う。上記のような諸活動を通して、最終年度に当たる2024年度末の刊行を目指し、論文集作成の準備を行う。
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