研究課題/領域番号 |
23K20475
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補助金の研究課題番号 |
21H00540 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
吉冨 朝子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40272611)
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研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
周 育佳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 准教授 (40771944)
根岸 雅史 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 教授 (50189362)
王 ウェイトン 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (80867862)
清田 顕子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (41000425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 英語スピーキング能力 / 指導・評価システム / CEFR-J |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大学における英語スピーキング能力の育成を目指して、入学から卒業までの期間にわたり、CEFR-Jに準拠した体系的な指導と多面的な評価を一体化したシステムを拡充することを目的とする。具体的には、独自開発した大学入試用のスピーキングテストの大規模実施と検証を行い、プレースメントテストとしての利用可能性も検討することで、CEFR-Jに準拠した、より効果的なスピーキング能力評価の実現を目指す。在学中の学習支援においても、CEFR-Jに準拠したタスクを開発・実施し、スピーキング指導と評価の効果を検証した結果を、次のタスク開発および評価指標の修正に生かす循環を体系化する。
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研究実績の概要 |
①独自のスピーキングテストの妥当性検証について:スピーキングテスト(BCT-S)の内容妥当性を検証するために、英語授業のシラバス分析を通して、受験者の入学後の目標言語使用領域を調べた。頻繁に行われる授業活動が、グループディスカッションとプレゼンテーションであった結果から、やりとりスキルを引き出すように、テストタスクの開発を検討するが必要があることがわかった。また、BCT-Sの基準関連妥当性を検証するために、CEFR-Jとの関連性を探った。質的分析を通して、CEFR-JのCAN-DO記述がBCT-Sのタスクとの類似性がある程度特定できたが、538名の受験者のスピーキングCAN-DO記述に基づく自己評価とBCT-Sの結果との相関は弱いものであったことから、BCT-Sは「準備時間・視覚補助がある教室活動」や「実生活の活動」を対象とするCEFR-Jとの間に、一致していない部分が大きいことが示唆された。 ②学習支援におけるタスクおよび評価の精緻化のための調査:英語学習支援センター(ELC)の過去10年分のライティング・データをCEFRレベル別スコアを付した形式で英語コーパス化に取り組んだ。このコーパスに基づき、CEFRレベル・トピック別のライティング・パフォーマンスの分析を行った。さらにスピーキング・データのコーパス化も進めた。CEFRレベル評価を付与したELCで採取した英語ライティングおよびスピーキング・テストの結果から、テキスト特性の特徴分析を行った。また、CEFR-Jに準拠した指標化に向けた検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研初年度のスピーキング・データ収集の遅れが、継続的に研究進行に影響を及ぼしているが、収集されたデータの分析やテスト検証・タスク開発については、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、引き続き以下を進める。 ①独自のスピーキングテストの開発:BCT-Sの「CEFR-Jへの準拠」「予測的妥当性」「プレースメントテストとしての妥当性」の検証結果をまとめ、分析手法や結果の解釈を再検討し、結果を次のテスト開発に反映させる。また、在学生協力者を対象に実験を行い、異なるタスク条件(準備時間とメモの有無)で受けたテストの結果を比較し、「タスクの有効性」を検証する。 ②学習支援におけるスピーキングタスクの精緻化:スピーキング・セッションの音声データやアンケートおよびインタビュー調査による効果検証を行った上で、語彙のドメイン・トピック別にCEFR-J準拠のタスクを精緻化する。また、Can-do記述を参考にし、スピーキングタスクのタイプを言語機能、言語特徴ごとに作成する。精緻化されたタスクを実施・検証・内省して継続的に開発・修正を行う。 ③学習支援における形成的評価の精緻化: 学習者の自己評価と指導者からのフィードバックに基づいて、学習者のスピーキング能力に関連する意識の変化について、アンケートおよびインタビュー調査を行い、タスクルーブリックを修正・精緻化する。 以上①②③の研究成果を国内外の学会・研究誌等で発表する。
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