研究課題/領域番号 |
23K20478
|
補助金の研究課題番号 |
21H00545 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横川 博一 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (50340427)
|
研究分担者 |
田中 宏季 国際基督教大学, 教養学部, 助教 (10757834)
鳴海 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (40736154)
濱田 真由 神戸大学, 大学教育推進機構, 助教 (40828696)
中村 哲 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (30263429)
島田 浩二 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 特別研究員 (00711128)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 経験による潜在学習 / 統語と意味のマッピング / トップダウン重視型タスク / 外国語学習における潜在学習 / 知識コミュニケーション技術 / 文産出における潜在学習 / リテリング / 語彙獲得 / 外国語の潜在学習 / インターラクティブ・フィードバック / 文理解における潜在学習 / 外国語学習の神経基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,日本人英語学習者を対象として,知識コミュニケーション技術を援用したトップダウン型タスクおよびインタラクティブ・フィード バックによる学習を伴うトレーニングシステムのパイロット版を開発し,基盤的英語力にかかる言語知識および運用スキル獲得に及ぼす効果を ,心理言語学実験によって言語処理行動の変容を捉えるとともに,脳活動計測によって言語処理プロセスの神経基盤の変容を捉えることで明ら かにしようとするものである。これは学習者の熟達度や行動・脳活動の変容に基づいてフィードバックやインターラクションを行う学習トレー ニングシステムの開発をめざしたものであり,個別最適化学習の実現に直結するものである。
|
研究実績の概要 |
基礎研究として,言語への反復接触(経験)が言語知識(語彙・音声・統語)の獲得に及ぼす影響,頻度による影響などについて,言語産出の両面において,心理言語学実験を通して,基礎的な行動の変容を明らかにした。 ●経験に基づく統語知識の変容(潜在学習 implicit learning)が起こるのか,fMRIを用いた神経心理言語学実験により,任意の文構造に繰り返し接触すると既存知識の重みづけが変化し,その構造を次に予測する可能性(予測エラー)が高まり,その予測エラーの大きさが学習の度合いを反映することなどが明らかになった[Nakagawa et al, 2022]。 ●リテリング活動における語彙の習得:リテリングには語彙の使用が重要であるが,語彙がどのように学習され,習得されるのかを心理言語学実験により調査した。その結果,学習者にとって既知語は語彙知識の深さが促進され,未知語は新たに習得されることが明らかになった[関・濱田・横川, 未発表]。 ●学習トレーニングシステムに関する理論的基盤の整備:リテリング活動を中核とするパイロット版学習トレーニングシステムを認知的メカニズムの観点からさらに考察を加え,トレーニングシステムの改善と拡張の可能性を実証するための理論的モデルの精緻化を図った[横川・中村・田中・島田・鳴海・濱田, 2022]。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の言語理解における潜在学習の可能性に続いて,言語産出における統語的プライミングの発現についてfMRIを用いた脳神経科学的データ収集により,言語理解および言語産出の両面において経験による潜在学習の証拠を得ることができた。 また,パイロット版トレーニングシステムの理論的基盤を改善することができ,語彙の使用と習得の側面について実証的研究を行うことができた。 以上のことなどから,おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
音読及びシャドーイングが統語処理の促進(=文法的に正確な発話)にどうつながっているのかを実証することによって,学習トレーニングシステムの精緻化を図る。 また,言語理解において,同一の統語構造への反復接触によって生じる可能性がある統語的プライミング現象が一時的なものであるのか,持続する性質のものであるのかを実証することに追って。さらに学習トレーニングシステムの精緻化を図る。
|