研究課題/領域番号 |
23K20491
|
補助金の研究課題番号 |
21H00562 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鍋谷 郁太郎 東海大学, 文学部, 客員教授 (10266356)
|
研究分担者 |
黒沢 文貴 東京女子大学, 現代教養学部, 研究員 (00277097)
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)
姉川 雄大 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00554304)
柳原 伸洋 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00631847)
今井 宏昌 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00790669)
北村 陽子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10533151)
南 祐三 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (50633450)
池田 嘉郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80449420)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 第一次世界大戦 / 戦争文化 / 戦後社会 / 野蛮化 / 兵士 / パラミリタリー / レオンハルト / 戦争神経症 / 戦場跡地 / 第三帝国 / 総力戦 / 民間人 / 社会の暴力化 / 戦間期 / 敵を憎む心 |
研究開始時の研究の概要 |
「戦争文化」という概念を軸にして、第一次世界大戦における総力戦を支える民衆心性の構築・発展過程と戦後社会の変化を、東西ヨーロッパ及び日本を中心に比較研究を行うものである。「戦争文化」とは「敵を憎む心性」を指し、ヨーロッパにおける第一次世界大戦研究及び戦後研究に新たな次元を開拓している。本研究の目指すものは、以下の3点である。①兵士や民間人を4年間以上に動員することに成功した背景にある「戦争文化」は、各国で如何にして形成・強化されていくのか。②大戦中に形成された「戦争文化」が戦後どのように変容していくのか。③日本は、ヨーロッパ社会における「戦争文化」の形成と戦後社会への影響をどう捉えたか。
|
研究実績の概要 |
「第一次世界大戦と『戦争文化』ー「敵を憎む心』の形成と戦後社会への影響」の共同研究は、3年目に入った。研究分担者や研究協力者は、各フィールドで本格的な史料調査と分析を展開した。 2023年度は、ドイツ連邦共和国のフライブルク大学教授イェルン・レオンハルト氏を科研費で招聘した。5月27日に東京大学でワークショップを開催し、レオンハルト氏が「克服されなかった敗北、台無しにされた勝利」というテーマで報告を行った。この報告は、「戦争文化」という概念の再吟味と新たな定義を行うもので、今後の共同研究の進展に大いに貢献してくれる内容であった。報告後2時間に亘って活発な議論が展開された。ワークショップ終了後に開かれたパーティーの場でも、議論がさらに続き、非常に有意義であった。 2023年度は、上記のワークショップと並んで、2回の研究会を対面形式で開催した。内容は次の通りである。第7回(2023年8月24日青山学院大学):梅原秀元「第一次世界大戦と神経症ードイツを例にー」・鍋谷郁太郎「兵士は本当に第一次世界大戦を『耐え抜いdurchhalten』たのか、あるいは『耐え抜くdurchhalten』とは何かー西部戦線で考える」。第8回(2024年1月8日青山学院大学)今井宏昌「第一次世界大戦と『第三帝国』ーヴァイマル期ドイツ・パラミリタリ組織の政治化をめぐってー」・北村陽子「第一次世界大戦後ドイツにおける戦場跡地への旅ー旅行ガイドブックの紹介ー」。 報告も2クール目に入った。研究会の度に大きな議論になった「戦争文化」の概念への共通の理解が出来上がった。レオンハルト氏のワークショップが、これに大きく貢献した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外での史料調査が自由に出来るようになったことで、研究分担者や研究協力者の研究は順調に展開されている。また、第一次世界大戦から戦間期の研究の権威であるフライブルク大学教授イェルン・レオンハルト氏を招いたワークショップを開催したことで、この共同研究メンバー間における「戦争文化」への共通理解と共通認識が飛躍的に形成された。 研究分担者や研究協力者は、各自の研究成果を学会報告、あるいは論文や著書の形で順調に発表している。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、海外及び国内での史料調査や史料分析を、2023年度以上に精力的に行う予定である。研究会は、4回(4月、8月、1月、3月)を予定している。 2025年5月に開催される度西洋史学会(鹿児島大学)において、「第一次世界大戦と『戦争文化』」というテーマでシンポジウムを行う予定である。また、2026年3月には、研究成果の総括として論文集を刊行する予定である。出版社は、錦正社が決定している。
|