研究課題/領域番号 |
23K20492
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補助金の研究課題番号 |
21H00563 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小関 悠一郎 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20636071)
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研究分担者 |
宮間 純一 中央大学, 文学部, 教授 (10781867)
今村 直樹 熊本大学, 永青文庫研究センター, 准教授 (50570727)
天野 真志 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60583317)
高槻 泰郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (70583798)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2024年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 富国安民 / 仁政 / 藩 / 19世紀 / 政治文化 / 富国強兵 / 政治意見書 / 政治空間 / 秋田藩 / 熊本藩 / 米沢藩 / 近世・近代 / 政治理念 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国内各地の地域史料(藩政史料等)を素材として、日本における「富国」論の政治的・社会的機能について、近世・近代を通して解明し、「富国強兵」論が社会に浸透するに至る過程と「富国安民」論が持った可能性について考察するものである。 上書・封事・建議といった、18世紀後半から19世紀半ばの幕末維新期までに諸藩・旧藩関係者等によって作成・提出された政治意見書等に着目し、近世を代表する政治改革を早期に行った熊本藩・米沢藩・秋田藩とその関係者を研究の主な素材とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、①米沢藩・秋田藩・熊本藩等の諸藩に関する史料調査を実施するとともに、②近世の「富国」論について考察する上で重要な「仁政」思想・諸政策に関する文献の収集、史料翻刻や研究データ作成や検討を進め、③それらの成果も踏まえた、近世近代の政治文化・政治空間に関する研究会を実施した。 ①に関しては、担当内容に沿って代表者・分担者がそれぞれのフィールドで史料調査を実施した。調査では、藩士層の意見書類、商人・藩役人間の書簡類、それらを含む編さん史料を昨年度に続いて収集し、あわせて幕末期の民衆運動、明治初期の藩政に関する史料を対象とした(「仁政」「富国」論の社会的意味や近世政治文化の変容の把握が目的)。 ②に関しては、米沢藩・熊本藩等に関する史料の翻刻・研究データ作成を昨年度に続いて進めた。加えて、幕末~明治期の諸藩士らの交流関係や民衆運動の理念、「仁政」論の展開等について、文献・史料を収集して検討し、当該期における「富国」論の政治的・社会的意味を多角的な把握を図った。 ③2回のオンライン研究会を実施した。研究会を通して上記②に関わる成果として、白石烈「条約勅許諮問と諸藩周旋方」(第3回富国論科研研究会、2022年9月)、鈴木凜「日本近世・近代史研究における義民像と民衆運動―90年代以降の研究史を中心に―」(第4回同研究会、2023年3月)、小関悠一郎「19世紀日本における「仁政」思想の展開過程─研究史の検討と今後の展望─」(同)を得た。 以上による成果は、小関悠一郎「近世日本の政治理念とその変容」(『明治維新史研究』21)などの論文発表により発信し、『永青文庫叢書 細川家文書 災害史料編』(吉川弘文館)のような史料集、『論点・日本史学』(ミネルヴァ書房)・『東北史講義 【近世・近代篇】』(筑摩書房)・『豪商の金融史』(慶應義塾大学出版会)等の一般向け書籍にも反映させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料調査について、研究協力者の力添えを得て、米沢市など山形県内各地に赴いて現地史料調査を実施し、研究に必要な史資料の収集を進めることができた。あわせて関連する諸分野に関する文献収集を進めた。 史料翻刻・データ作成に関しては、現地史料調査で収集した史料(政治意見書等)の翻刻作業を進め、関係者で共有するなど、研究の基盤を固めることができた。 加えて、本年度に開催した研究会を通じて、仁政思想や民衆レベルまで影響を持った幕末期の諸理念など、近世・近代における「富国」論の意義を理解するにあたって視野に入れるべき諸分野に関する知見を得ることができた。 これらの成果の一部は、史料集や一般向け書籍を含めた著書に反映させるとともに、雑誌論文・学会発表等によって、積極的に公表した。
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今後の研究の推進方策 |
夏期に予定していた代表者・分担者共同での史料調査について、昨年度に引き続き本年度もは実施見送りを余儀なくされたが、調査実施の態勢は整っており、次年度は計画的に実施できるよう調整を進める。 また、本年度までの史料翻刻・データ作成の成果を踏まえて引き続き作業を進める。当面史料集の作成・刊行を念頭に置きつつ、広く利用可能にする方策を検討する。 引き続き研究会を定期的に開催して、研究の深化・発展を期す。次年度以降は、対面・オンラインでの開催を状況や目的に応じて検討する。
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